私たちが何気なくお祭りに出かけ、初詣やお寺にお参りをするように、神様や仏様に対する信仰のかたちは様々にあります。芦屋ではどのような信仰のかたちが存在するのか、それを本展でご紹介します。
奈良時代の菟原郡(うばらぐん)(現在の芦屋)に寺院が存在したことは、近年の考古学の発掘成果によって明らかにされています。現在、芦屋廃寺と呼ばれているその寺院跡からは多くの瓦や土器が出土しており、寺院として正確に機能していたことが知られています。
とくに、奈良で東大寺が造営されていた8世紀の中ごろに行われた大法要、万燈会(まんとうえ)と同じものが芦屋で行われていたことを示す土師器は、古代の芦屋の歴史を知る上で非常に重要な位置にあります。
この芦屋廃寺を中心に、芦屋に存在する寺院や神社についてご紹介し、現在まで続く地蔵盆や祭りなど、芦屋の人々の宗教に対する信仰の歴史に触れていただければ幸いです。