松岡美術館所蔵の東洋陶磁コレクションは、中国・景徳鎮窯の青花・五彩磁器を代表とするように、華麗な鑑賞陶磁コレクションとして知られています。今回展示する日本陶磁の分野でも、そうした鑑賞性に優れた伊万里焼、すなわち江戸時代の肥前磁器が主体を占め、中でも色絵磁器は多くの優品を含んでいます。
日本の色絵磁器は、17世紀前半、肥前・有田地方ではじめて焼成に成功し、以降有田で、古九谷様式、柿右衛門様式、古伊万里・金襴手様式といった絢爛豪華な色絵磁器が創造され展開していきました。
今展では、松岡コレクションの色絵磁器から、近年肥前窯の初期色絵磁器とされ豪快な色使いとデザインで知られる古九谷様式の大皿群や、ヨーロッパへの輸出磁器であり近年里帰りをはたした柿右衛門様式、古伊万里・金襴手様式の大壺など約60点の優品を展観し、江戸時代に伊万里焼と呼ばれた肥前色絵磁器の魅力をご紹介するものです。