平山郁夫は平和への祈りを込めた数々の優れた作品と、文化財保護活動による偉大な足跡を遺し、平成21年12月に逝去されました。自らの被爆体験から玄奘三蔵の苦難の歩みに思いを寄せ、仏教伝来の道程からシルクロードをテーマに描き続け、その集大成として奈良・薬師寺に「大唐西域壁画」を献納しました。本展覧会に出品される「大唐西域画」は、壁画の約四分の一の大きさで描かれた作品で、より多くの人々に玄奘三蔵の求道の軌跡を観てほしいという平山の願いと、画業の集大成へ至る深い情熱が込められています。
高崎市タワー美術館の開館10周年特別展として開催する本展覧会では、佐川美術館が誇る国内最大規模の平山コレクションから、「大唐西域画」を始めとする約70点の本画・素描を展観し、最も愛された日本画家・平山郁夫の生涯と平和を追求し続けた活動をご紹介します。