エミール・ガレ(1846~1904年)は東フランス、ロレーヌ地方のナンシーに生まれ、生涯この地を拠点にガラスや陶器、家具などの分野において類い稀なる才能を開花させました。文学や哲学、音楽、植物学、鉱物学など幅広いジャンルに精通し、またジャポニスムや象徴主義、自然主義といった時代の潮流とも呼応しながら独自の表現を深めていった彼の芸術は、アール・ヌーヴォー期を代表するものとして、100年以上の時を経た今日もなお私たちを魅了しつづけています。
本展ではこうしたガレのガラス作品に焦点をあて、当館で所蔵するコレクションを一堂に展覧いたします。またガレと関わりのある同時代の作家、ドーム兄弟をはじめとするナンシー派の作家たちの作品もあわせてご紹介します。古都ナンシーに結実したガラス芸術の世界をおたのしみください。