木村伊兵衛は日本近代写真の第一人者であり、常に日本の写真界を牽引してきました。
木村が残した「昭和」という時代の風景は、私達の記憶の中にある懐かしい感情を蘇らせます。
日本写真界に新しい潮流を生み出していった木村は、小型カメラ「ライカ」と出会い、速写性を生かした、スナップやポートレイトに独自の感覚を発揮しました。出会った瞬間にその存在の核心を見抜き、シャッターを切る。木村伊兵衛にとって、カメラは肉眼よりもはるかに奥深くを視ることのできる道具だったのではないでしょうか。
本展では、「躍動する昭和」「秋田の民俗」「よみがえる都市」「日本列島」「ポートレイト」というテーマを、何必館コレクションより厳選した約60点の作品で構成し、展覧いたします。