大画面上で無尽に増殖・拡張する網目模様や水玉模様のペインティングによってニューヨークで鮮烈なデビューを果たした草間彌生は、物体や空間を突起状の立体で多い尽すインスタレーションや斬新なパフォーマンスなどによって1960年代のアメリカ前衛美術の魁をなしていなした。現在に至るまで、その精力的な創作活動は止まることなく変化し続け、日本を代表する世界的な前衛芸術家として広く注目されています。
本展覧会は、松本市美術館所蔵の草間彌生作品の中から、草間芸術が濃厚に反映された1970年代以降のコラージュと版画を、美術作品とともに高い評価を受けた作家自身の文章とあわせて展示いたします。本展を通して、描かれた作家の幼少体験や身体感覚から草間芸術のインスピレーションの源を知る手掛かりを得るだけでなく、インスタレーションや大型の絵画作品とは異なる草間彌生の芸術的世界観をより深く感じていただければ幸いです。