江戸時代において江戸、京、浪華の三都市を比較すると、「粋」、「雅」、「艶」に象徴、代表されるように、各々特色ある文化土壌を醸し出しています。
その世界は、日本画においても同様で特有の作風を展開しましたが、近代に入って交通機関の発達によって相互影響も早く、より深まったといえるでしょう。
それと同時に、開国による西洋絵画の急激な移入は、江戸以前の絵画には認められなかった新局面をもたらし、表現の多様化が生じました。
本展は、全て同じテ-マ、技法での作品対比ではありませんが、近代における大きな意味での東西画壇、ミクロ的に見れば東京・京都・大阪の画家たちの作風の相違を見てみたいと思います。