山口薫(1907~1968)は戦前から戦後にかけて活躍した群馬県を代表する洋画家です。
群馬県立近代美術館では、油彩、水彩、素描、版画など66点もの山口薫作品を所蔵しています。過去に展覧会も行っており、昨年、全国から山口薫の作品約130点を集め、当館から世田谷美術館、三重県立美術館を巡回した展覧会は記憶に新しいことと思います。
【今回の展示のみどころ】
昨年の山口薫展には当館からも23点が出品されましたが、当館所蔵品の中には、良い作品でありながら、残念にも出品することができなかった作品があります。今回開催するこの特集展示では、当館所蔵品の中から、代表的な作品に昨年の展覧会に出品されなかった作品、寄託作品なども加え、約30点を展示室4で展示します。
油彩だけでなく、油彩のもとになったデッサンや、高崎市役所に描かれた壁画《朝昼晩》(現在、高崎シティーギャラリーに常設展示)の水彩下絵など、通常ではなかなかお見せできない作品も紹介します。また、新たに所蔵者より寄託された《箕輪城趾 崖》(1947年作)を当館初公開します。
昨年の展覧会を見ていない方にも、また、見た方にもふたたび、山口薫の作品を楽しみ、その創作の豊かさを感じていただく機会となることでしょう。