岡本太郎は、フランス留学中の若き日にはパリの博物館で人類学を学び、東京国立博物館で縄文の美を発見しました。大阪万博の太陽の塔に集めた世界中のコレクションは、後に国立民族学博物館に引き継がれます。現代日本を代表するアーティストは博物館と深い結びつきがあったのです。
本展はふたつの展示で構成します。企画展示室では「岡本太郎の博物館」展を開催。岡本太郎が撮影した“モノ”の写真展示とあわせて、福島県内の考古資料・民俗資料等を“ふくしまけんぱく版”「東北の太陽の塔」として展示します。常設展示室では「博物館から覚醒するアーティストたち」展を開催。岡本太郎と博物館の関係になぞらえ、福島県立博物館の常設展示室を、現在活躍するアーティストに開放します。旧石器時代から現代までの歴史を物語る展示資料と現代アートの共存は、新たな発見を生み出すでしょう。
ふたつの展示をつなぐキーワードは「はじめる視点」。日本の文化に目を向けた岡本太郎と、郷土の歴史を紐解く次世代のアーティストたちのふたつの視点が展示室で交差します。博物館から、何かが始まります。