本年は日本画家西山英雄(1911~1989)の没後20年にあたります。この節目に際し、その画業を回顧する展覧会を開催します。
西山は京都に生まれ、四条派の流れを汲む叔父西山翠嶂主宰の画塾青甲社に学びました。帝展には20歳にして初入選、23歳で特選となり、京都画壇期待の新人として嘱目されます。当初、港や街並みなど身近な情景を情感豊かに描いていましたが、次第に海景や山岳風景を力強い筆致で描くようになります。昭和33年に師の翠嶂が没すると、自らの意志で青甲社を解散し、画家として独自の道を歩みだしました。その画風は、京都の優雅な日本画の伝統とは一線を画するものがあり、洋画の表現を取り入れた豪壮華麗な新境地を示しています。画題も日本の山岳をはじめ、中国やヨーロッパなど海外の風景に取材した作品も数多く描いています。なかでも、桜島にはライフワークとして取り組み、その生涯に何度も鹿児島の地を訪れました。
本展覧会では、作画活動初期から晩年にいたる西山の代表作を展示します。また、本画に関連する素描もあわせて紹介して、創造の軌跡をたどります。