MANGA、OTAKU、そしてJAPANIMATIONという言葉が国際語として定着し、漫画やアニメは現代日本を代表する輸出産業の花形となっています。その一方、漫画家とともに漫画文化となっています。その一方、漫画家とともに漫画文化の発展を担った人々、なかでも編集者の歴史や業績は、脚光を浴びる機会に恵まれなかったのも事実です。戦前は大日本雄弁会(現在の講談社)に勤め、『少年倶楽部』誌を当時の少年雑誌売り上げ第一位に押し上げ、戦後、学童社を設立、『漫画少年』誌で手塚治虫や石ノ森章太郎など多くの漫画家を世に送り出した加藤謙一氏(1896-1975)も、漫画文化の礎を築いた一人です。
本展では、文京区を特色づける印刷・出版文化史の一端として、名編集者の誉れ高い加藤謙一氏の軌跡と奇蹟、二つのキセキをご紹介します。