「気まぐれ美術館」の名で親しまれている、当館所蔵の洲之内コレクションですが、このたび全作品を展示いたします。
これまで、宮城県美術館の所蔵作品展示では洲之内コレクションの中から毎回20点前後を選んで紹介していますが、今回は、近年あらたに収蔵されるなどした洲之内氏ゆかりの作品23点、新出資料(書簡、原稿、現代画廊企画展パンフレット)も加えて一堂に展示いたします。
洲之内コレクションは、雑誌『芸術新潮』に「気まぐれ美術館」という題名でエッセイを連載して好評を博し、画廊主でもあった故洲之内徹氏(1913-1987)が、最後まで手放さなかった作品のことで、1988年に宮城県美術館にまとめて収蔵されました。このコレクションには、有名な作家の貴重な作品から、洲之内氏の鋭い嗅覚で選ばれた個性的な作品まで、幅広い作品が含まれているのが特徴で、全国に多くの支持者がいることでも知られています。
『洲之内徹 絵のある一生』(新潮社・とんぼの本)、『洲之内徹文学集成』(月曜社)、『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』(求龍堂)と、洲之内徹関係の出版が続く昨今、洲之内ファン待望の展覧会です。