髙島屋史料館は、近代日本画、洋画、図案、能装束、工芸品など多分野の優れた名品を多数所蔵していることで有名です。ただ、これまでにまとまった形で公開される機会が少なく、その全貌を窺う展観はなかったといえましょう。
今回の企画は、その中でも最も評価の高い近代日本画と洋画に的を絞ったものでありますが、そこからは、近代日本画と洋画の特質の興味深い対比、差違が認められ、鑑賞の幅を広げると申せましょう。それとともに、東京画壇、京都画壇、大阪画壇という地域風土文化の伝統、異なりが生み出す違いも看取されます。それは、横山大観、竹内栖鳳の題材、表現の差といった形で端的に見ることが出来ます。
今までになかった本展は、ご来観の皆様に大いに感銘を与えることと思います。