「福島の新世代2009」は、福島県ゆかりの気鋭作家をご紹介するシリーズの第4回展となります。今回は宇田義久、金暎淑、KOSUGE1-16の3名(組)の作家を取り上げます。
会津若松市出身の宇田義久は抽象絵画を制作しており、「VOCA展2003」をはじめとして、個展やグループ展で発表を続けています。近年の作品では、糸による線条と透明感ある色彩が瑞々しい調和をみせています。
郡山市出身の金暎淑は、国籍や帰属意識を手がかりとしながら、絵画やインスタレーションを発表しています。「光州ビエンナーレ2002」をはじめ、近年では光州事件をテーマとする映像作品で反響を呼びました。
車田智志乃と土谷享によるユニット、KOSUGE1-16は、「横浜トリエンナーレ2005」での巨大なサッカーゲームをはじめ、ユニークな参加型プロジェクトにより注目を集めています。
表現、主題ともに三者三様ですが、時代と向き合う作家たちの作品は、私たちに真摯なメッセージを投げかけています。本展では各作家の新作を中心とする展示によって、その清新な表現活動をご紹介いたします。
本展ではまた、ワークショップをはじめとする学校連携事業を開催し、美術館での展示にとどまらず、作品を地域や学校に広げていきます。同時代を生きる作家たちの表現が、美術を<もっと近くに>感じる契機となることを願っています。