平成20年(2008年)は、世界最古の長編小説『源氏物語』の存在が記録で確認されてから、ちょうど千年目にあたります。
『源氏物語』に代表され、作中でも描かれている当時の文化は、「国風文化」「王朝文化」などと呼ばれ、それまでの唐風文化を基盤とした日本独自の文化が花開いたことが特徴となっています。「日本らしさ」の象徴的存在として、その意匠は現代までも脈々と受け継がれています。
そこで、本企画展では、平安時代中期の史料等により、これらが生まれた背景を考察するとともに、王朝文化の意匠あふれる装束などを列品し、その美を鑑賞します。あわせて、千年を超えて愛される「みやび」を再認識し、次代に受け継いでゆく機会とします。