多くの随筆、雑誌のインタビュー、数冊の日記・・・・遺された言葉は、その時々の気持ちや人生の機微、そして制作の苦悩など、画家のあるがままの心情を私たちに物語ってくれます。
今回はその中から、制作に関して書かれた文章を年代を追って抜粋しました。成熟した絵画を描くにはどのように歩むべきか、年を重ねるごとに変化する環境や制作姿勢において尽きない葛藤を繰り返していたことがうかがえます。画家自身「絵はそんなにスラスラと描けるわけではないんです。」と語るように、作品を生みだす苦しみの中なぜ描くのかを問う姿は、描くことへの切なる欲望を私たちに伝えています。