ボローニャ展は、世界最大の規模を誇る絵本原画コンクールとして知られています。今年は世界58ヶ国2653組ものイラストレーターから応募があり、その中から日本人作家17人を含む23ヶ国85組の作家が入選となりました。今年も板橋区立美術館では、その全入選作品を展示します。
<イタリア・ボローニャ国際絵本原画展とは>
イタリア中北部の古都ボローニャで毎年開催されている絵本原画コンクールの入選作品による展覧会です。イタリアでの開催は41回を数え、板橋区立美術館での開催は27回目を迎えます。このコンクールは、世界で唯一の児童書専門の見本市(Bologna Children's Book Fair)に伴うイベントのひとつとして、1967年に始まりました。子どもの本のために制作された作品を5枚1組にすれば誰でも応募することができることから、世界中の新人イラストレーターたちの登竜門としても知られています。
ボローニャ展の魅力は、その「多様性」にあるといえます。毎年世界中から沢山の応募があり、国籍の異なる審査員により、厳正に審査が行われます。そこでは、多くの絵本を出版している有名作家の作品も、まだ出版歴のない新人の作品も、同一のテーブルに並べられます。審査員が新しい才能を感じれば、まったく無名のイラストレーターも入選することができるのです。今年は造本作家でありデザイナーの駒形克己さんが国際審査団のメンバーとなりました。
<今年の特別展示は>
ドイツのヴォルフ・エアルブルッフを取り上げます。エアルブルッフ氏は、2006年に子どもの本のノーベル賞ともいわれる「国際アンデルセン賞」を昨年受賞しました。古新聞、写真などを用いるコラージュの手法には、ダダやシュルレアレスムの影響が見られます。また、子どもの本には取り上げられにくいテーマを正面から扱う絵本づくりでも注目されています。今回は、ボローニャ展図録表紙の描き下ろしも含む、21点の原画を展示します。