兵庫陶芸美術館のコレクションは、全但〈ぜんたん〉バス株式会社社長の田中寛〈たなかひろし〉氏(1904~81)が昭和41年に創設した「財団法人兵庫県陶芸館」からの寄贈および購入によるやきもの913件が母体となっています。
それらは、丹波焼をはじめ出石〈いずし〉焼、三田〈さんだ〉焼、王地山〈おうじやま〉焼、東山〈とうざん〉焼、珉平〈みんぺい〉焼などを中心とした、全国有数の丹波焼および兵庫県内の陶磁器のコレクションです。
当館ではこれを「田中寛〈たなかかん〉コレクション」と名づけ、氏の収集したやきものの数々と、財団法人兵庫県陶芸館の活動を後世に伝えていくことにしています。
また、開館にあわせてコレクションの幅を広げるため、富本憲吉〈とみもとけんきち〉、松井康成〈まついこうせい〉、清水卯一〈しみずういち〉など、近現代陶芸の収集も開始しました。
今回の展覧会では、コレクションのなかから選りすぐりの代表作約130件を一堂にご紹介します。この機会に、兵庫県のやきものや近現代の陶芸に親しんでいただければと思います。