板碑は、五輪塔・宝篋印塔とともに中世に供養塔として盛んに作られましたが、近世には廃れてしまいます。板碑は北海道から九州まで分布しますが、特に埼玉を中心とした関東に多くみられます。中世の歴史や社会を研究する上で重要な資料の一つです。
東京国立博物館には、約180点の板碑が収蔵されていますが、ほとんどが関東の出土品です。関東の板碑は、緑泥片岩製で、頭部を三角形につくり、阿弥陀如来を表わす種子と年号を彫ったものが多くみられますが、なかには「南無妙法蓮華経」の文字を刻んだもの、阿弥陀如来の像を描いたものもあります。
板碑をまとめて展示する機会はなかなかありませんので、この機会にぜひご覧ください。