2005年に大英博物館で大規模な展覧会が開催されるなど、近年、ペルシャ文明に注目が集まっています。今回、イラン国立博物館を中心とする第一級のコレクションにより、7000年前にさかのぼるペルシャ文明の全貌を紹介します。本格的な展覧会として、日本ではおよそ50年ぶりの開催となります。
最大のみどころは、「ペルシャ帝国」として知られ、最盛期にはエジプトからインド、中央アジアまで支配したアケメネス朝ペルシャ(前550-前330年)の栄華を示す出品物です。黄金のリュトン(角杯)をはじめ、高貴な人々が使った煌めく金製品と、当時の都で現在、世界遺産に指定されているペルセポリスから出土した彫像や浮彫など、大帝国が集めた富の一端に触れることができます。そのほか、古くは先史時代の彩文土器や都市文明の青銅製品から、シルクロードを経て日本美術に多大な影響を与えたササン朝ペルシャ(226-651年)の銀製品や切子ガラスまで、古代ペルシャを代表する200余点の至宝を一挙公開します。