東京国立博物館表慶館は、大正天皇(当時皇太子)のご成婚を記念して明治33年(1900)に計画され、明治41年(1908)「奉献美術館」として皇室に献納された、長い歴史を持つネオ・バロック様式の建築です。
昨年度より、雨漏りなどの老朽化がすすんだため屋根・内壁などの改修工事が行われていました。本企画は、本年9月末日に終了する表慶館改修工事の完成引渡しを機として、10月末からの一般公開にあわせ、明治の洋風建築を代表する表慶館創建時の建築設計図面や資料およびその後の表慶館の歴史を、画像などを用いてわかりやすく解説します。
建築設計者の片山東熊や正面階段上の獅子像の作者である大熊氏広・沼田一雅などについてもあわせて紹介するとともに、今回の改修事業の経緯も解説します。
表慶館の建築空間を鑑賞し、楽しみながら、表慶館の歴史的、建築的価値などを一般の方々に広く知っていただければ幸いです。