篠田桃紅(1913-)は、日本を代表する墨による抽象画家です。中国大連に生まれ、岐阜市を本籍として東京で育ちました。幼少の頃よりほとんど独学で書を極め、戦後、墨による抽象表現を始めました。1956年から2年間の米国滞在を経て、帰国後、国内外で発表を続け、壁画、襖絵からリトグラフ、装丁、随筆にいたるまで、活動は多岐にわたっています。
本展では、当館の所蔵品と、鍋屋バイテック会社所蔵の、初期の書が解体され抽象へと移行する時代の作品や近作を併せて展示することによって、改めて桃紅への理解を深めようとするものです。
この~篠田桃紅芸術月間~では、岐阜県美術館、関市立篠田桃紅美術空間、鍋屋バイテック会社ギャラリー三館の、すばらしいコラボレーションが実現します。三会場で同時期に開催される展覧会とコンサートを通して、それぞれの桃紅の世界を、充分にお楽しみください。