黒川紀章の集大成を堪能する。
波のようにうねうねとしたガラス張りの建物、この近未来的な名建築「国立新美術館」は、日本を代表する建築家・黒川紀章らが手がけました。黒川が設計し、生前に完成した最後の美術館としても知られています。
印象的な外観はもちろんのこと、建物内部のデザインにも黒川の独創性が光ります。その一つが、黒川の代名詞ともいえる「円錐形」のエレメントを用いたことです。夜になると白い光で照らされる円錐形の正面入口をはじめ、天井高が21.6メートルあるエントランスロビーには巨大な逆円錐を2つ配置。それぞれの最上部はレストランとカフェになっています。
訪れた際は、館内の照明にも注目を。例えば、 木材を等間隔に並べた「光壁」は、壁の内部の蛍光灯が光を放つ照明設備となっており、行灯のような柔らかさが感じられます。
館内へは無料で入ることができるので、黒川建築を心ゆくまで味わってみてはいかがでしょうか。