ID:8683
野間仁根展
会場
愛媛県美術館
THE MUSEUM OF ART,EHIME
会期
2005年10月22日(土) ~ 2005年12月11日(日)
展覧会概要
野間仁根展 ノマヒトネテン
芸術の秋、愛媛県美術館では郷土を代表する洋画家の一人である野間仁根(1901~79)の画業を振り返る特集展示を開催します。
野間は越智郡津倉村(旧吉海町、現今治市)の出身。明るく穏やかな瀬戸内風景や華麗な薔薇の花、様々な生き物たちの姿を多く描いた画家としてよく知られます。彼いわく「自然を如何に芸術するか」を目標に、身近な自然に多く取材し、そこから創作の発想を得ていました。その作風はどのように展開していったのでしょうか。
初期の代表作《夜の床》は昭和3年(1928)の第15回二科展で樗牛賞を受賞し、一躍注目を浴びました。フォーヴィスムの影響を受けた大胆で幻想的な作風は、初期の野間が得意としたところでした。続く翌年に出品し二科賞を受賞した《ぜ・ふうるむうん》とともに、彼の画業の最初の到達点を示しています。
その後、戦時中の郷里への疎開、昭和30年(1955)の二科会脱退、さらに同年の新団体「一陽会」結成―と環境が変化するに従って、作風も次第に大らかでのびやかなものへと移行していきます。そして晩年は、我々に最もなじみのある、輝くような奔放な色彩が画面を覆う童心あふれる境地へと至ります。
その創作意欲は、日本画や書の分野にまで及んでいます。野間は無類の釣好きとしても知られていますが、疎開中には友人たちと句会を結成して俳句もたしなむなど、まるで「文人」と呼んでもよいほどの多芸な人でした。彼の描く水墨画や俳画は、油彩画よりも気兼ねなく描けたからでしょう、心温まるユーモアに満ちていて、常に「まるがままに、自然に、自由に」と念願した彼の精神が非常によく表れていると言えます。
展示は、当館が所蔵する油彩画・素描が中心となりますが、併せて、これまで広く知られる機会の少なかった日本画・書についても、野間の郷里、大島にある今治市吉海郷土文化センターなどが所蔵する作品により紹介します。展示総数は約80点、「洋画家」という面だけでは語れない野間の多彩な魅力に触れていただけることと思います。この展覧会が、自由で屈託のない彼の画業を再認識し、さらに新たな魅力を発見できるよい機会となることを願います。
- 主催者
- 愛媛県美術館
- 休催日
- 月曜日
- 観覧料
- 当日券 身障者
一 般 300円(240円) 150円(120円)
高大生 200円(160円) 100円 (80円)
小中生 100円 (80円) 50円 (40円)
高齢者 150円(120円) - - 展覧会ホームページ
- http://www.ehime-art.jp/
- 展覧会問合わせ先
- TEL:089-932-0010
会場情報
登録日:1999年5月12日