ID:8579
蓬春のエキゾティスムとロマンティスム
会場
山口蓬春記念館
HOSHUN YAMAGUCHI MEMORIAL HALL
会期
2005年10月22日(土) ~ 2005年12月23日(金)
展覧会概要
蓬春のエキゾティスムとロマンティスム ホウシュンノエキゾティスムトロマンティスム
初め洋画を学びながらも日本画家としての道を選んだ山口蓬春は、戦前から戦後にかけてのあゆみのなかで「新日本画の創造」をめざして模索を続けました。
蓬春は、東京美術学校西洋画科から日本画科へ転科し、師・松岡映丘の指導のもと、新興大和絵会(大正12~昭和6年)において古典絵画の研究を徹底的に行い、また同世代の画家たちと分野を超えて結成した六潮会(昭和5~15年)では自らの画風を深めていきました。そののち蓬春が日本画のなかに見出した一つの指針は、日本人が育んできた伝統美のなかにこそ、自らが進むべき「新日本画」の可能性があるということ、そして時代の推移とともに常に変りゆく「今」という感覚に対して挑戦し続けるところにこそ「新日本画の創造」があるということだったのではないでしょうか。
蓬春は、遂にヨーロッパを訪れることはありませんでしたが、たびたび中国、朝鮮、台湾を訪れ、その時の取材をもとに作品を制作しています。しかしそれらの作品は、単に日本にはない異国の珍しい風景を描くのではなく、丹念な取材によって収集された情報のなかから、「今」の感覚に最も相応しいエキスを抽出し、リアルな描写力によって生み出された全く新しい情景といえます。実在しない情景を何の不自然もなくそこに現出させる、そこに蓬春芸術の根底にある一種の幻想美を見出すことができるのです。
また、昭和20年代に描かれたシュールレアリスム的な作品には、フランス近代絵画を思わせるものがあり、これまでの日本画にはない表現形式による新しいフォルムと色彩構成によって幻想的な空間を創りだしています。
しかし、蓬春の幻想は、感傷的なものではなく、常にヴァルールの追求と知的な画面処理という新しい感覚で日本画を捉え直した時に現われる造形上の幻想美であるといえます。本展では、明るくスマートと評される蓬春芸術の根底にある一種の幻想美を「エキゾティスム」と「ロマンティスム」というテーマで捉えてみます。
- 主催者
- 山口蓬春記念館・財団法人 ジェイアール東海生涯学習財団
- 休催日
- 毎週月曜日、11月4日(金)、11月24日(木)
- 観覧料
- 一般500円、高校生以下 無料
20名以上の団体は50円割引(1週間前までに予約をした場合)
連携館の入場券所持者 50円割引
※連携館:葉山しおさい博物館(当日券のみ)、神奈川県立近代美術館葉山館
- 展覧会ホームページ
- http://www.jrtf.or.jp/hoshun/
- 展覧会問合わせ先
- 山口蓬春記念館Tel.046-875-6094
会場情報
山口蓬春記念館 ヤマグチホウシュンキネンカン
HOSHUN YAMAGUCHI MEMORIAL HALL
- 会場住所
-
〒240-0111
三浦郡葉山町一色2320 - ホームページ
- https://www.hoshun.jp/
登録日:1999年3月31日