ID:77631
佐藤 翠「Dress of Flora -フローラのドレス -」
会場
小山登美夫ギャラリー天王洲
会期
2024.8.31 [Sat.] - 9.21 [Sat.]
展覧会概要
佐藤 翠「Dress of Flora -フローラのドレス -」 サトウ ミドリ「Dress of Flora -フローラノドレス-」
この度小山登美夫ギャラリーでは佐藤翠展「Dress of Flora-フローラのドレス-」を開催いたします。
今回の新作は、天王洲の天井の高い展示空間からインスピレーションを得て、テーマを「女神シリーズ」に絞り227×162cmの大きなキャンバスに制作。展示構成も自ら考え、スペース全体で荘厳な世界観をあらわす、新しく意欲的な展開となります。
【佐藤翠作品について-
大胆な筆致、色彩のコンビネーション、根源的モチーフを可憐に現代的に映し出す】
エモーショナルで大胆な筆のストローク、紫、黄、ピンク、オレンジ、青などの鮮やかな色彩の線と面のコンビネーション。下書きなしにキャンバスに描き、偶然の絵具の滲みや余白をあえて残して示す、遥かな空間の広がり。佐藤作品は、絵画ならではの多層的で自由な魅力さにあふれ、私たちの感性を大いに刺激してくれるでしょう。
クローゼットは独自の代表的なモチーフであり、またドレス、シューズ、カーペット、花々、果物など、昔から多くの人々を魅了してきたシンプルで根源的モチーフにも取り組んでいます。佐藤はそれらに対する憧憬と自身の感覚に従い、現実とイマジネーションを行き来しながら可憐で現代的な独自の作品世界にまで昇華させます。
また特徴として、同じモチーフを繰り返し描きながら、その時々の体験やその感動により表現を変化させる点があります。クローゼットやドレスに花をからませ、空を飛んだり、線が抽象的になり、具体的なモチーフがあったり。その新鮮な世界観は、次はどう変化するのだろうという期待感をもたらし、多くのコレクターや美術関係者、企業やクリエイターなど多分野で高い評価を得てきました。
近年の主な個展として、「Diaphanous petals」(ポーラ美術館アトリウム ギャラリー、2019年)「FLOW」(Gana Art Bogwang、ソウル、韓国、2023年)があり、2023年にはパートナーの守山友一朗と共に「部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで」(ポーラ美術館、箱根、神奈川)に出展。その他コスメブランド「RMK」とのメイクアップキットのコラボレーションや、中村文則の小説『去年の冬、きみと別れ』(幻冬舎)の装画など、活動は多岐にわたります。
また世界的ファッションブランド「KEITAMARUYAMA」の30周年を記念したPOP UP STORE(ISETAN SALONE、東京ミッドタウン、2024年9月11日[水]-24日[火])と、展覧会「ハレの日に」(SCENE、東京、9月14日[土]-10月11日[金])にもペインティング作品を出展いたします。
(詳しい作家の説明はこちらをご覧ください:http://tomiokoyamagallery.com/artists/midori-sato/)
【新作に関してー柔らかな布、光の煌めき、具象かつ抽象的アプローチで甦らせた花と豊穣の女神像】
本展に際し、佐藤自身次のように述べています。
「ドレスを着たトルソーを女神に見立てた『女神シリーズ』をテーマに構成しました。女神シリーズの始まりは、6年前に街角のウィンドウに飾られた透けるドレスを着たトルソーの姿がギリシャ彫刻と重なって見えたことからでした。ガラスに夕焼けが反射した様子も相まって、トルソーがまるで女神のように神々しく輝いているように見え、それを描いてみたいと思ったことがきっかけでした。
今回は、ギリシャ神話で『花と豊穣の女神』とされるFlora(フローラ)が纏うドレスとして、今まで目にしてきたドレスを元に巨大な女神像として描きました。私にとって花は、近年ずっと夢中になっているモチーフであることから、花を纏う女神としてフローラを描きました。展覧会全体では、それらが一つの壁に一体ずつ立ち並ぶ神殿のようなイメージを持っています。」
227×162cmのキャンバスいっぱいに描かれたドレスの巨大な女神像が3体、一つの壁に対し一作品づつかけられ、鑑賞者はそれらに囲まれ、対峙し、荘厳な雰囲気に包まれるでしょう。
今回の「女神シリーズ」は縦構図で巨大化させたことで、いままでよりもさらに少ない手数の大きなストロークで上下に一気に描いて垂直性を出し、作品にさらなる躍動感と身体性をもたらしています。
そうして表れたドレスの流麗な布のドレープと、背景の縦のラインの色彩のグラデーションが見事に共鳴しあい、まるで画面から静粛な光の煌めきや揺るぎないエネルギーを放っているかのようです。その画面からあふれだす気配こそが崇高な現代の女神の存在性を表わしていると言えるでしょう。
またトルソの彫刻的な肉感やドレスに施された花が、Flora(フローラ)の姿を連想させつつ、表情や動作がないからこそ、鑑賞者それぞれの想像力を遥かに広げ、作品、展示全体で独自の女神像を浮かび上がらせています。
佐藤翠は自らに偽りのない凛とした視線で、優美なFlora(フローラ)を現代に甦らせます。花、豊かさ、女神という古代から続く概念は、佐藤作品を通して現代の私たちの目にどう映るでしょうか。この佐藤の新しい挑戦をご覧にぜひお越しください。
- 休催日
- 日月祝 休
- 開催時間
- 11:00 ~ 18:00
- 展覧会ホームページ
- http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/sato2024/
- 展覧会問合わせ先
- プレスに関するお問い合わせ先(プレス担当:岡戸麻希子)
Email: press@tomiokoyamagallery.com
Tel: 03-6459-4030 (小山登美夫ギャラリー オフィス)
イベント情報
オープニングレセプション:8月31日[土]17:00-19:00
会場情報
小山登美夫ギャラリー天王洲 コヤマトミオギャラリーテンノウス
- 会場住所
-
〒140-0002
品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex I 4F
登録日:2024年9月11日