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「HANGA東西交流の波」展

会場

東京藝術大学大学美術館

THE UNIVERSITY ART MUSEUM, TOKYO UNIVERSITY OF THE ARTS

会期

2004年11月13日(土) ~ 2005年1月16日(日)

展覧会概要

「HANGA東西交流の波」展 HANGAトウザイコウリュウノナミテン

版画は複製ができ運搬も容易であることから、古来、文化伝播の担い手として重要な役割を果たして来ました。特に19 世紀なかばに万国博覧会が欧州各国で行なわれるようになると、版画を介しての東西美術の相互影響関係は急速に高まります。
自然と庶民の生活を主題とし、線と明るい色面で対象を描き出す日本の浮世絵は、アカデミスムの停滞に苦悩する西欧の美術家たちに、革新のヒントを与えました。宗教や歴史の主題を排し、自然と現世風俗を明るい世界として描き出す印象派の誕生は、浮世絵版画の存在抜きには語れません。
一方、江戸時代中期の洋書輸入の緩和以来、少しずつ流入してきた洋書と西洋版画は、日本の知的好奇心に燃える青年たちに計り知れない刺激を与えてきました。高橋由一が西洋絵画に興味を持ち、独学でその画法を研究するようになったきっかけも、一枚の西洋の石版画でした。彼はそこに日本画には見られない迫真の奥行きのある空間と、個性的様式が両立していることに感動して西洋画を学ぼうときめたのです。後に印象派と呼ばれる人々が浮世絵をきっかけに絵画の革新をはじめたのも、由一が西洋石版画をきっかけに油彩による洋画研究に乗り出すのも、1870 年代のことでした。
このような版画の東西文化交流を象徴する一台の銅版画印刷機が、東京芸術大学大学美術館に所蔵されています。長年、フランスで制作を続けていた版画家・長谷川潔は、フランスの精神科医ガッシェが愛用していた印刷機を、息子ポールから譲りうけて一時使用していました。ガッシェはあのゴッホの最後を看取った人であると同時に自らもアマチュア画家・版画家として制作もし、良き印象派の理解者・パトロンとしても歴史に名を残しています。 ゴッホが生涯でただ一枚制作した銅版画「ガッシェ博士の肖像」はこの印刷機で刷られたものです。東京芸術大学教授故駒井哲郎の尽力で、この記念すべき印刷機は1976 年に同大学の所蔵となりました。
本展覧会はこの木製銅版画印刷機を核として、約240 点の出品作品を通し18 世紀半ばから現代にまでわたる東西文化交流とその展開を、図像、技法、思想の相互影響関係に注目し考察します。21 世紀に入った現在、東西という文化的地理的条件も、版画という表現手段も、再考を迫られていることは明らかですが、この展覧会の意図は、歴史をふりかえることにより、版画芸術の未来に・・・

主催者
東京芸術大学/東京新聞
休催日
月曜日(ただし1 月10 日は開館、翌日休館)、年末年始(12 月27 日~1 月4 日)
観覧料
一般1000 円(800 円)大学生・高校生600 円(500 円)中学生以下は無料
()内は前売り、20 名以上の団体料金
展覧会ホームページ
http://www.geidai.ac.jp/museum/
展覧会問合わせ先
050-5525-2200(代表)

会場情報

東京藝術大学大学美術館 トウキョウゲイジュツダイガクダイガクビジュツカン

THE UNIVERSITY ART MUSEUM, TOKYO UNIVERSITY OF THE ARTS

会場住所
〒110-8714
台東区上野公園12-8
ホームページ
https://museum.geidai.ac.jp
更新日:2010年11月17日
登録日:1999年3月31日