ID:7596

華麗なるペルシャ絨毯の世界

イラン、ミーリー工房の復元作品と古典作品

会場

渋谷区立松濤美術館

The Shoto Museum of Art

会期

2004年12月7日(火) ~ 2005年1月30日(日)

展覧会概要

華麗なるペルシャ絨毯の世界 カレイナルペルシャジュウタンノセカイ イラン、ミーリー工房の復元作品と古典作品

西アジアに位置するイラン・イスラム共和国は日本の4.5倍の大きさで、地形は山岳、草原、砂漠など変化に富み、明確な四季がある。インド・ヨーロッパ語族を祖先にもつイラン人は西アジア全域に支配を及ぼしたアケメネス朝建国から2500年以上の歴史を有す。この地に様々な民族が流入し、多くの王朝が興亡を繰り返してきた。
イランでは紀元前5世紀ごろからパイル織り(結び織)の絨毯を生産していたことを示す遺品が周辺地域から出土している。古来から遊牧生活を営んできた多くの部族にとって、移動と携帯に便利な暖かい絨毯とテントは生活の必需品であり、力強く、重厚なデザインの絨毯が織られてきた。更に、宮廷がおかれた都市を基盤とした各王朝でも華やかで複雑なデザインの絨毯が製作され、ペルシャ絨毯はその多様な美と質の高さから世界的な名声を勝ち得てきた。
しかしながら、19世紀末頃からイランにも西洋から化学染料や機械織りの染織品などが流入してきた。現代では、小数となった遊牧民でさえも次第に伝統的な絨毯製作をしなくなりつつある。
このような状況の中で、1820年から絨毯製作に従事しているミーリー家はアンティーク絨毯を研究し、古来の手紡ぎ、天然素材の染色方法、手織りの過程を復活させた。各産地の絨毯を復元し、その実績は海外でも高く評価され、絨毯業界でミーリー・ルネサンスと呼ばれている。
本展では絨毯製作に長い伝統を有するミーリー工房が古代と同じ材料と技法で復元製作した18点の現代絨毯をそのデザインの元となった古典作品18点と比較して展示するほか、ミーリー家が所蔵する19世紀から20世紀前半のアンティーク絨毯約40点を展示する。いずれも糸を結び、起毛したパイル織りの絨毯である。
更に、織りの道具、染めの材料、写真資料を展示し、イラン南西部の遊牧民、カシュガイ族のテントを再現する。また、期間限定で遊牧民による織の実演も行う。
イランにおけるペルシャ絨毯の伝統を概観し、再創造の試みを提示する日本で開催されるはじめて尾本格的なペルシャ絨毯の展覧会である。

主催者
渋谷区立松濤美術館 千代田トレーディング
休催日
月曜日(1月10は開館)、12月24日(金)、年末年始(12月29日~1月3日)、1月11日(火)
観覧料
一般300(240)円、小中学生100(80)円 *( )内は10名以上の団体料金
65歳以上、障害者の方は無料
展覧会ホームページ
http://www.shoto-museum.jp/
展覧会問合わせ先
Tel.03-3465-9421

会場情報

渋谷区立松濤美術館 シブヤクリツショウトウビジュツカン

The Shoto Museum of Art

会場住所
〒150-0046
渋谷区松濤2-14-14
ホームページ
https://shoto-museum.jp/
更新日:2011年3月8日
登録日:1999年3月31日