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木下晋展 いのちを刻む
孤独を描きたいわけでもない
なにかを伝えたいわけでもない
孤独を生きる人のことを知りたい
人は合掌して何かに祈るしかない。
身に降りかかった勘案辛苦を合掌で包み祈る。
それは鎮魂の思いを伝える人類普遍の姿であろう。
自分に出来ることは何かと考えたとき、
私は合掌の図を描いた。
会場
ギャラリー島田 B1 un
Gallery:Shimada
会期
二〇二〇年一月八日(水)~二十二日(水)
展覧会概要
木下晋展 いのちを刻む キノシタシンテン イノチヲキザム
木下晋は1947年富山市生まれ。町田市在住。中学時代、木内克に塑像を学び、独学で油彩やクレヨン画を手がけ、16才の時、画家の麻生三郎、詩人の滝口修造に出会い、以降交流を深めた。1973年から洲之内徹の現代画廊などで個展を開き、1982年渡米から帰国後、鉛筆画を始める。ライフワークとなった「瞽女(ごぜ)」の小林ハル(故人、人間国宝)、流浪癖のあった母親、谷崎潤一郎の『痴人の愛』のモデル和嶋せい、海文堂ギャラリーでの初個展で出会った写真家・中山岩太夫人の中山正子、絵本「ハルばあちゃんの手」のモデルとなった川端さんご夫妻、そしてハンセン病元患者桜井哲夫さん。それぞれの72万時間を超える人生の日々を、10H~10B、22種類の鉛筆で、その時間と等価であることを願うがごとく、そして修行のような接触を重ねる。モデルが長い年月をかけて培ってきた年輪、皺の中に刻まれている人生、人間という不可思議な存在の心の闇の部分、生きざまという見えないものまで表現したいと迫ります。一呼吸の間に十数回も。刻むようにというのも違う、人肌を優しく撫でるように。漆黒ですら、無数の重ねること、その行為により深められていく。老いですら、皺ですら、崩れ爛れた皮膚ですら、怒りにより尖ることはない。その人の生に寄り添い、敬い、同化するまで何十万もの肌への触れ合いは、木下の内部を浄化し、祈りとして立ち上がる。絵を描くということを越えて、木下晋の目と、魂の修練の形を通じて私たちは「人」としての尊厳を知る。余りに希薄になってしまった「存在」を、見る人のうちに甦らすものがある。
木下晋の作品を、細部を緻密に描き込むことをもって、写実的なリアリズムを趣旨としているとは思わない。彼の作品の理解者、窪島誠一郎氏が《非リアリズム》と規定し、《表現主義的ともいえる画家のエゴイズムの滾り》と指摘したように、彼の作品は過剰な何ものかをメッセージとして発している。 島田誠
- 開催時間
- 11:00 ~ 18:00
- 最終日は16:00
- 展覧会ホームページ
- http://gallery-shimada.com/?p=6668
イベント情報
「木下晋に聞く」 木下晋×島田誠
1月11日(土)15:00~(要予約・無料)
特別ゲストをお招きしてのトークイベントも開催予定。ホームページやメールマガジンで情報を発信いたします。
会場情報
ギャラリー島田 B1 un ギャラリーシマダ
Gallery:Shimada
- 会場住所
-
〒650-0003
神戸市中央区山本通2-4-24 リランズゲートB1F - ホームページ
- https://www.gallery-shimada.com
登録日:2020年1月22日