ID:6170

ガラスの酒器・ヨーロッパ

ローマン・グラスからアール・デコまで

会場

サントリー美術館

Suntory Museum of Art

会期

2003年8月5日(火) ~ 2003年9月21日(日)

展覧会概要

ガラスの酒器・ヨーロッパ ガラスノシュキ・ヨーロッパ ローマン・グラスからアール・デコまで

ワインやビールを飲むとき、私たちは何気なくガラスの器を手にします。透明なガラス器は、味や香りを楽しむばかりでなく、その彩りを愛でる優雅な時間をも、私たちにもたらしてくれることでしょう。

現在、酒、特に洋酒の器と言えば、ガラスの器が溢れています。しかしながら、古代ギリシャ時代までは、ガラスの酒器は身近な存在でなく、土器や金属器が主だったものでした。ガラスによる酒器が量産され、現代へと続く源流を辿っていくと、古代ローマ時代に行き着きます。ギリシャからもたらされたワイン文化は、古代ローマ帝国の興隆とともに、広く、そして歓迎をもって普及されました。同時に、紀元前50年頃発明された吹きガラスによる器作りは、この透明な素材による多彩な器を帝国領内に伝播させました。ここに、形としてはギリシャ陶器に範をとりつつ、五感によって酒を楽しむことのできる「透明な酒器」が芽生えたのです。

ワイン文化の中で最初の発展を遂げたガラスの酒器は、中世になると、ビール文化とも相まって、民衆にとって身近なものとなりました。森の工房で吹かれたこうした器は、実用性の高いシンプルな造形として現れます。また、「パンはキリストの肉体、ワインはキリストの血」とするキリスト教の普及によって、ガラスの酒器は宗教や儀式の中にも入り込み、ミサや婚礼の場に登場します。ガラスによる造形力が高まる中、近世には、ヴェネチアン・グラスの豊かな装飾性や、ボヘミアン・グラスの精緻な彫琢が王侯貴族たちを魅了し、ガラスの器は彼らの酒宴を演出するようになりました。その巧みな造形美と王侯貴族の趣味は見事に融合し、芸術作品としても愛蔵されていくのです。さらに、食卓芸術の発展、酒類の多様化は、ガラス技術の躍進にも助長され、さまざまな酒器を生み出していきました。近代にみられる機能美への展開は、私たち現代人の生活にも、深く息づいています。

本展は、酒の器としてのヨーロッパのガラスを、源流となった古代から、多様化を遂げた近代までの器、約140点を通してご紹介します。ワイン・ビール二大酒文化、まつりごと、食卓芸術等との関わりの中で、ガラスの酒器がどのような役割を果たし、いかに発展してきたか。光輝く、透明なる酒器の魅力をお伝えします。

主催者
サントリー美術館、朝日新聞社
休催日
月曜日(ただし9月15日は開館、翌16日休館)
観覧料
一般1000円、高校・大学生800円、小・中学生600円
(10名以上の団体は各100円割引き)
展覧会ホームページ
http://www.suntory.co.jp/sma/
展覧会問合わせ先
TEL:03-3479-8600

会場情報

サントリー美術館 サントリービジュツカン

Suntory Museum of Art

会場住所
〒107-8643
港区赤坂9-7-4 六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階
ホームページ
http://suntory.jp/SMA/
問い合わせ先
Tel 03-3479-8600
更新日:2010年10月19日
登録日:2000年10月17日