ID:60182
多和 圭三《ブ、ツ、シ、ツ、》 Keizo Tawa "Bu, Tsu, Shi, Tsu,"
会場
ヒノギャラリー
hino gallery
会期
2019年1月15日 ー 2019年2月2日
展覧会概要
多和 圭三《ブ、ツ、シ、ツ、》 タワケイゾウ《ブ、ツ、シ、ツ、》
Keizo Tawa "Bu, Tsu, Shi, Tsu,"
ヒノギャラリーでは2019年1月15日(火)より「多和圭三《ブ、ツ、シ、ツ、》」を開催いたします。
多和圭三は1952年愛媛県大三島生まれの彫刻家です。40年以上鉄を素材に制作を続け、その仕事の大半は鉄を「叩く」ことに費やしてきたといっても過言ではありません。単純ながらも膨大な時間と労力を要するその制作法は、やがて作家の代名詞となり、一見無骨ながらどこかぬくもりを感じさせる、まさに多和らしい一連の作品をつくり上げました。
「鉄の中を観たい、中に入り込みたい」という思いで鉄を叩き、ここ10年ほどは「削る」アプローチからもその思いと向き合ってきました。また、スクラップ(廃材)の利用もこの10年の多和の仕事における大きな変化の一つといえます。鉄製品の製造工程において、いわばあぶれてしまった半端もの。用を為さず、形も不定で錆をまとったそれらを、多和はあえて制作に取り入れるようになりました。今回発表する新作もそうしたスクラップを素材に、溶断、溶接、また組み合わせたり磨いたりしながら、廃材としての持ち味と、鉄本来の魅力が引き出された作品となっております。素材と長年向き合ってきた作家だからこそ、鉄の陰と陽ふたつの美しさ、またその柔軟性をスクラップに見出すことができたのかもしれません。
多和は常々、鉄を人と対等な存在としてとらえており、それは自身の作品を「もの」と呼称することからもうかがうことができます。錆びつくまでただそこにあっただけの鉄も、個を持った「もの」として存在し得る。それはまた、単なる物質が多和の手により《ブ、ツ、シ、ツ、》に変容するとも言い換えられるかもしれません。美しさも均整も不完全さも醜さも、すべてを受け入れ包括し、導き出された「もの」は、その在り方をもって私たちに存在することの意義を提示してくれることでしょう。
およそ2年ぶりとなる多和圭三の新作展をどうぞご高覧ください。
- 展覧会ホームページ
- http://www.hinogallery.com/2018/2017/
会場情報
登録日:2019年1月29日