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館蔵「江戸の文様-古伊万里、見るうつわ 魅せるうつわ」

会場

戸栗美術館

TOGURI MUSEUM OF ART

会期

2003年7月5日(土) ~ 2003年9月28日(日)

展覧会概要

館蔵「江戸の文様-古伊万里、見るうつわ 魅せるうつわ」 カンゾウ「エドノモンヨウコイマリ、ミルウツワミセルウツワ

「大皿に躍動する龍」「白磁に浮かぶ一輪の花」。
“食のうつわ”の範疇を越え、芸術として開花した江戸時代の古伊万里。うつわ全体を彩る文様には、「見る」おもしろさと、多様な分野から先駆的な意匠を取り入れた「魅せる」魅力があります。

なめらかな磁膚に描かれた線、白に映える色彩は、言葉より雄弁にやきものの魅力を顕現する力を持っています。
小袖にも用いられるほどの人気文様、将棋。軽やかに踊る唐子。夏の暑さを忘れさせるススキと団扇の組み合わせ。身近な野菜から芸術的文様へと大変身する大根。瓢箪から駒。大相撲の人気力士は浮世絵にも登場する有名人。東海道五十三次の大皿など、興味深い文様の数々。これらは、江戸時代に作られた古伊万里に描かれた文様です。その他、日本一の富士山、大雪が降ると豊作の兆しとされる雪輪文など、日本の風土の中に吉祥を見いだし、うつわを彩りました。また、鎖国中、数少ない交易国の姿を題材とした人物文は、異文化を好んだ当時の好みが繁栄され、未知の文化をもたらす吉祥と認識されていたと考えられます。人々を魅了したうつわは、江戸の繁栄とそれを支えた人々の力強さを彩り、現在もなお息づいています。

17世紀初頭に中国陶磁の憧憬から生まれた古伊万里は、草創期より古染付や祥瑞、その他山水画などの絵手本から取材した文様が描かれています。その後、中国陶磁の模写を踏まえつつ、日本的な自然風土を背景とした意匠や和様のデザイン構成も取り入れられていきました。17~19世紀にかけて様々な作風を展開した古伊万里には、その時代に求められた文様が多彩に描かれ、江戸文化の一端を垣間見るようです。
一方で、同じ鍋島藩で作られた古伊万里の中でも、美の極致ともいえるのが鍋島焼です。将軍家や大名への献上を目的として作られたため、妥協を許さない高い芸術性を持っています。鍋島藩では優れた陶工たちをヘッドハンティングし、鍋島焼独自の器形、文様を完成させ秘伝としました。その文様は、現在でも斬新で、洗練された意匠構成で我々を魅了します。
今展示では、今なお我々に懐かしさと新鮮さを感じさせる古伊万里に描かれた江戸のバイタリティー溢れる文様の数々を皆様の目で「見て」「魅せられて」お楽しみください。

主催者
財団法人 戸栗美術館
休催日
月曜日(祝日の場合はその翌日)
観覧料
一般 1030円
高大生 730円
小中生 420円
※20名以上の団体は200円割引
展覧会ホームページ
http://www.toguri-museum.org/
展覧会問合わせ先
tel . 03-3465-0070 fax . 03-3467-9813

会場情報

戸栗美術館 トグリビジュツカン

TOGURI MUSEUM OF ART

会場住所
〒150-0046
渋谷区松涛1-11-3
ホームページ
http://www.toguri-museum.or.jp/
更新日:2010年11月29日
登録日:1999年3月31日