ID:49616
: かたちを(た)もたない記録
カンバセーション_ピース
小西紀行+AHA! [Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]
会場
武蔵野市立吉祥寺美術館
Kichijoji Art Museum
会期
2016年 1月16日|土|―2月28日|日|
展覧会概要
: かたちを(た)もたない記録 カンバセーション_ピース カンバセーション_ピース 小西紀行+AHA! [Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]
油彩で家族/人間を描き続けている小西紀行 (こにし としゆき)(1980~)と、市井 (しせい) の人々による記録の価値を探求しているAHA! (アハ)。本展は、「家族」をメディアとしてそれぞれに活動を展開してきた二者を通じて、定まったかたちや居場所を持たない、あるいは保たない「記録」はいかにして可能なのかを問うものです。
小西の作品は、自身や親の幼少期に撮影された家族写真に着想を得て作られています。親しい間柄の人々が集う/触れあう情景を題材とするその絵は Converesation piece (家族の肖像/家族や近親者の団欒の図)的なものでありながら、しかしここでは、人のかたちがくずされ、ぼやかされていることによって、無数の想像の余地が与えられます。ここに、現代社会における個の喪失という状況を意識したり、あるいは、自分自身の記憶を重ね合わせてしまう人もいるかもしれません。今回は、家屋に見立てられた展示空間に、本展に向けて準備された新作が林立します。
AHA!は、昭和30~50年代に一般家庭に普及し、現在では「忘れられた」記録メディアとなった「8ミリフィルム」を、「戦後日本の生活文化を記録した貴重な動的資料」と位置づけ、国内各地でこれを用いたアーカイブづくりを実践してきました。今回は、武蔵野市周辺のご家庭に眠る8ミリフィルム収集を実行した後、AHA!のこれまでにない試みとして、ご家庭内における上映会の過程でフィルム映像から呼び起されたさまざまな「会話」を、市民から提供された写真・映像などとともに、一冊の「本」というかたちに再構成する作業に取り組みました。会期中、美術館内には、AHA!によって編まれた本『あとを追う』のための読書の「場」がしつらえられます。また、収集したフィルム映像も、会場の一角で流れています。
絵画/文章/映像が交錯する空間のなかで、私たちは「他者の記憶」から自分自身の記憶を引き出したり、「他者の記録」を自分の体験ではないかと錯覚したりするかもしれません。失われたり、よみがえったり、想像の力によって変形・加飾されたりしていく私たちの記憶。これらは一体どこに存在している/いたものなのでしょうか。一つの「ありふれた光景」に触れることで、さまざまな人の中に異なる記憶が再生され、発話が生まれていく。そのようなしなやかな「記録(アーカイブ)」のあり方を探りたいと思います。
- 主催者
- 武蔵野市立吉祥寺美術館
- 協賛・協力等
- 協力:ARATANIURANO、remo [NPO法人記録と表現とメディアのための組織]、井の頭自然文化園
- 休催日
- 1月27日|水|、2月15日|月|、2月24日|水|
- 開催時間
- 午前10時 ~ 午後7時30分
- 観覧料
- 100円
- (小学生以下、65歳以上、障がい者の方は無料)
- 展覧会ホームページ
- http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/2015/12/post-137.html
イベント情報
詳細は当館ホームページをご確認ください。
① 小西紀行+AHA!ギャラリートーク
日時:2016年1月17日|日| 14:00~15:30
場所:当館ロビーならびに企画展示室
(予約不要。当日会場にお越し下さい。)
② 小西紀行トーク「質疑応答」
日時:2016年2月20日|土| 14:00~15:30
出品作家の小西紀行氏が、会場からの質問を受けながら、自身の制作についてお話します。
場所:当館音楽室
定員:90名 (要申込・先着順)
③ AHA!トーク 「『あとを追う』――そのあとを追う」
日時:2016年2月28日|日| 14:00~15:30
AHA!メンバーの松本篤氏が、本展のために制作した本『あとを追う』についてお話します。
場所:当館音楽室
定員:90名 (要申込・先着順)
※16:30より閉館時刻まで、AHA!がこれまでアーカイブしてきた映像の一部を蔵出し上映します。
④ 『あとを追う』関連ワークショップ「3つの読書会」
進行:AHA!
場所:当館音楽室
定員:各日5名 (要申込・先着順)
資料代:500円
※参加申込は各日ごととなります。
― 読書会その1:『あとを追う』
日時:2016年2月21日|日| 14:00~15:30
本展のために制作された『あとを追う』を題材に、「記録を読むこと」について考えます。
― 読書会その2:『十六歳の日記』
日時:2016年2月26日|金| 18:00~19:30
川端康成『十六歳の日記』を題材に、「人間が過去に失つて行くもの」について考えます。
―読書会その3:『ペン習字 軍人模範慰問文』
日時:2016年2月27日|土| 14:00~15:30
戦時中に出版された慰問文の文例集を題材に、「なぞること」について考えます。
※②③④の申込方法:2月2日(火) 10:00よりお電話(0422-22-0385)または美術館窓口にて(各日定員に達し次第締切)
会場情報
武蔵野市立吉祥寺美術館 ムサシノシリツキチジョウジビジュツカン
Kichijoji Art Museum
- 会場住所
-
〒180-0004
武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル(コピス吉祥寺A館)7階 - ホームページ
- https://www.musashino.or.jp/museum/
登録日:2016年3月22日