ID:4917

近代歴史画と羽石光志

会場

栃木県立美術館

TOCHIGI PREFECTURAL MUSEUM OF FINE ARTS

会期

2002年10月26日(土) ~ 2002年12月1日(日)

展覧会概要

近代歴史画と羽石光志 キンダイレキシガトハネイシコウジ

日本の絵画は、常に中国絵画の影響を受けながら発展してきた。その結果として、日本の絵画でありながら「唐絵(漢画)」と称され、長く画壇の中心的役割を果した狩野派の様式に組み込まれる。一方、平安時代以降、日本の題材を日本的な描法・色彩で表現する「やまと絵」の伝統も継承されていった。これら和漢の要素が交錯しながら、日本の絵画は様々な流派を形成して近代を迎える。近代以降、西洋絵画の急速な流入によって日本の画壇も一変し、それらから強い影響を受けて新たに成立した「洋画」というジャンルの一方で、多様な日本の絵画は「日本画」として括られた。そして、洋画高揚の勢いに圧倒され、日本画はしばし影を潜めることとなる。しかし、明治10年代後半から文明開化の反動から興っ
た国粋主義的運動や、岡倉天心による新日本画運動が契機となって、伝統保守派の絵画が再興する。その拠点となったのが日本美術協会であり、その一派から日本青年絵画協会、さらには日本絵画協会が生まれた。各会所属の画家たちによって描かれた故事や歴史的事実・人物を題材とした作品群は、やがて「歴史画」と呼称され流行を見る。幕末土佐派の流れを汲む川辺御楯、川崎千虎、小堀鞆音、安田靫彦、住吉派系の守住貫魚、山名貫義、松岡映丘、日本美術院の菱田春草・横山大観・下村観山、また、歴史画には欠かせない『前賢故実』を編んだ菊池容斎の流れを汲む梶田半古、小林古径、前田青邨、今村紫紅など、後に近代日本画
の重鎮となる画家たちが歴史画を描いた。
本展では、小堀鞆音とその門下である安田靫彦・磯田長秋・小山栄達らを中心とした紫紅会、紅児会、そして日本美術院へという流れを骨子とし、近代日本画において「歴史画」がどう描かれたかという視点から、時代と日本画の展開の一端を辿ると共に、本県出身の日本画家羽石光志の画業を顕彰する。

主催者
栃木県立美術館、下野新聞社
休催日
月曜日
観覧料
一般 800(700)円
大高生 500(400)円
中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
展覧会ホームページ
http://www.art.pref.tochigi.jp/
展覧会問合わせ先
栃木県立美術館 TEL028-621-3566

会場情報

栃木県立美術館 トチギケンリツビジュツカン

TOCHIGI PREFECTURAL MUSEUM OF FINE ARTS

会場住所
〒320-0043
宇都宮市桜4-2-7
ホームページ
http://www.art.pref.tochigi.lg.jp/
更新日:2010年10月18日
登録日:1999年3月31日