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GⅢ-Vol.108

江上茂雄展

画業90年、101歳の日曜画家。残した作品は約2万点。

会場

熊本市現代美術館 ギャラリーⅢ

CONTEMPORARY ART MUSEUM KUMAMOTO

会期

2015年 12月5日[土]→2016年 2月14日[日]

展覧会概要

GⅢ-Vol.108 江上茂雄展 エガミシゲオテン

熊本市現代美術館では、ギャラリーⅢの108回目の企画として「江上茂雄」展を開催します。
明治45年(1912)、福岡県山門郡瀬高町(現みやま市)に生まれた江上は、15歳で三井三池鉱業所建築課に入社。以後45年間、会社員として勤めながら、クレパス・クレヨン画を描きつづけました。主なモチーフは、大牟田の身近な風景ですが、それ以外にも、植物画や、実験的即興絵画など、その内容は多岐にわたります。江上は、会社が休みとなる日祭日以外の、平日の退社後の時間でさえも、寸暇を惜しんで制作に没頭し、いわゆる「日曜画家」の範疇をゆうに超える、驚くべき質・量の作品を残しています。
その後、昭和47年(1972)に60歳で退職。熊本県荒尾市に転居すると、水彩画に取り組み始めます。元旦と台風の日を除くほぼ毎日、約30年にわたって戸外に出て、荒尾を中心とした近郊の身近な風景を描き続けるその姿は、「路傍の画家」とも呼ばれました。平成26年(2014年)に101歳で没するまで、約20,000点の作品を制作しています。
本年、荒尾氏の「三池炭鉱 万田坑」は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を構成する資産として世界遺産に登録されました。明治末年に生まれ、大正、昭和、平成と4つの時代を生き、江上が描いてきた荒尾・大牟田の風景は、その歴史にそのまま重なります。しかし、江上が見つめてきたのは、その栄枯を物語るようなドラマティックな風景ではなく、平凡な地方都市の、極めて日常的な風景です。永遠の日常の中で、日々「美」を見出しながら、生きること。江上の生涯や作品にふれることで、立ち現われてくる、あなたにとっての故郷としての風景や、その「美」について、思いを馳せて頂ければ幸いです。(坂本顕子/熊本市現代美術館主任学芸員)

主催者
熊本市現代美術館(熊本市 公益財団法人熊本市美術文化振興財団)
休催日
※火曜日、12月29日~1月3日は休
開催時間
10:00 ~ 20:00
観覧料
入場無料

イベント情報

ギャラリートーク①
「江上茂雄という光」
話し手:竹口浩司 (福岡県立美術館学芸員)
□2015年12月5日(土) 14:00~15:00
□展覧会場内 参加無料
2013年に「江上茂雄:風ノ影、絵ノ奥ノ光」展を同館で企画した竹口氏をお招きし、江上さんとの交流のなかで触れたその人柄や、作品について語っていただきます。

ギャラリートーク②
「江上茂雄さんと炭鉱の町」
話し手:小野由起子 (熊本日日新聞文化生活記者)
□2016年1月30日(土) 14:00~15:00
□展覧会場内 参加無料
荒尾支局時代に江上さんを取材した小野氏をゲストに迎え、その印象や、荒尾という土地の歴史や風土についてお話しいただきます。

会場情報

熊本市現代美術館 クマモトシゲンダイビジュツカン

CONTEMPORARY ART MUSEUM KUMAMOTO

会場住所
〒860-0845
熊本市中央区上通町2-3
ホームページ
https://www.camk.jp/
更新日:2016年1月5日
登録日:2016年1月5日