ID:44285
Thomas Ruff Thomas Ruff
ma.r.s. and negatives
ma.r.s. and negatives
会場
ギャラリー小柳
Gallery Koyanagi
会期
2014.10.4 (Sat)―11.15 (Sat)
展覧会概要
Thomas Ruff Thomas Ruff ma.r.s. and negatives
Thomas Ruff ma.r.s. and negatives
この度、10月4日(土)から11月15日(土)の会期で、トーマス・ルフによる二つの個展がギャラリー小柳(銀座)とTOLOT/heuristic SHINONOME(東雲)で同時開催されます。
トーマス・ルフは1958年、ドイツ南部のツェル・アム・ハルメルバッハ生まれ。デュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に写真を学んだルフは、写真という媒体がもつ伝統的な概念を再検証しながら、シリーズごとにまったく異なる手法を展開してきました。現在もデュッセルドルフを拠点に活動しており、ドイツ現代写真の系譜を語る上で欠くことのできない存在とされています。
今回、ギャラリー小柳では、火星をモチーフにしたシリーズ「ma.r.s.」の新作と、ビンテージのネガフィルムを素材とした新シリーズ「negatives」を、TOLOT/heuristic SHINONOMEでは、フォトグラムを発展させたシリーズ「photograms」の新作を展示いたします。
幼い頃より天文学に親しんだルフは、天体写真のネガを大判のプリントとした「sterne 星」(1989年~)、土星の観測写真に抽象的な色相を与えた「cassini」(2008年~)など宇宙をテーマとしたシリーズを発表してきました。2010年より開始したシリーズ「ma.r.s.」ではNASAの火星探査機によって撮影された火星表面の白黒の高解像度デジタル画像を使用。探査機が90度の真上から撮影した画像の構図を変換、着色加工を施すことにより、イメージに圧倒的な臨場感を与えています。今回は初めての試みとして、赤外線カメラで撮影されたもともと色をもつ画像から制作した新作を発表いたします。
写真の草創期より存在するフォトグラムは、暗室のなかで感光紙の上に配置された物体を感光させることにより、その物体の影を像として直接写し取る技法で、1920年代にマン・レイやモホイ=ナジらによって広められました。1990年代からデジタル技術を駆使して次々に新たなシリーズを生み出していったルフは、フォトグラムの技法を高度にデジタル化することにより、本来モノクロで修正のできないフォトグラムによるイメージを自由自在に操作し、躍動感あふれる構図と色相を伝統的な写真技法に与えた新たなシリーズ「photograms」を完成させました。TOLOTではその巨大な空間を活かして、同シリーズの大判4点を核に展示を構成いたします。
もう一つの新シリーズ「negatives」において、ルフはかねてから注目していた写真のネガとポジの関係性を、自身がコレクションしていたビンテージ写真のネガフィルムを用いて検証していきます。デジタル処理によりネガポジ反転し、モノクロから淡い青の色調に変換された写真には、光と影の関係の逆転のみならず、思いも寄らぬ構図の転換がもたらされ、図像は彫刻的とも言える不思議な実在感を醸し出しています。今回はインドのマハラジャのイメージを中心に、静物、肖像、バレエなど様々なジャンルの作品を展示いたします。
今回の展覧会にあわせて作家が来日いたします。ぜひこの機会にご高覧いただけますよう、ご案内申し上げます。
- 休催日
- 日月祝
- 開催時間
- 11:00 ~ 19:00
イベント情報
[オープニング・レセプション 10月4日(土) 18:00~20:00 作家来廊]
会場情報
登録日:2014年9月30日