ジャパニーズ・ヴィーナス Japanese Venus

井原市立田中美術館 秋季特別展 ジャパニーズ・ヴィーナス ジャパニーズ・ヴィーナス ―彫刻家・藤井浩祐の世界―

Japanese Venus

再興 (さいこう) 日本美術院(院展)黎明 (れいめい) 期の20年間、10歳年長であった木彫の平櫛田中 (ひらくし でんちゅう) と共に、彫塑 (ちょうそ) の主軸 (しゅじく) として活躍した藤井浩祐は、瀟洒 (しょうしゃ) で優美な裸婦像で広く知られました。
藤井浩祐(のち1953年より浩佑、1882生―1958歿)は、明治15年、東京神田 (かんだ) に生まれ、東京美術学校で彫刻を学びました。卒業後、文展で受賞を重ね、注目を集めます。
大正5年(1916)には再興日本美術院の同人に加わり、昭和11年(1936)に脱退するまで、決して大きくはありませんが、珠玉 (しゅぎょく) ともいうべき作品を1回に3点、5点と並べて院展に出品しています。浩祐の芸術は、1点をじっと見つめるよりも、様々なしぐさをした複数の作品をまとめて眺めることによりその美しさが感得 (かんとく) できるように思います。院を脱退後は、官展 (かんてん) に復帰して名作《鏡》《梳髪 (すきがみ) 》で円熟の境地を示しました。
これらの展覧会芸術と並行して、建築装飾や、現在の全国高校野球選手権大会の参加章制作、東京府内の小学校で自らの考えに基づく「自由彫塑」の指導の実践 (じっせん)、彫刻志望者に大きな影響を与えた彫刻の技法・啓蒙 (けいもう) 書『彫刻を試 (こころみ) る人へ』(大正12年刊)の執筆など、広く社会との接点を求めた活動を積極的に行いました。
このように生前の浩祐は実作のみならず、彫刻の普及にも大きく貢献し、昭和12年(1937)に帝国芸術院(1947年に日本芸術院と改称)の会員に選ばれています。
しかし、第二次世界大戦でのアトリエ焼失により、展覧会出品作のほとんどが失われたため、今日までその芸術の全容がつかめませんでした。
初の本格的な回顧展である本展では、日本における美の女神の創造を生涯の理想とした藤井浩祐の歩みを折々の代表作でたどりつつ、彼の幅広い領域の活動を紹介し、近代日本彫刻史における業績を振り返ります。

主催者

井原市立田中美術館

協賛・協力等

共催:山陽新聞社
後援:中国新聞備後本社、読売新聞岡山支局、朝日新聞岡山総局、毎日新聞岡山支局、RSK山陽放送、KSB瀬戸内海放送、RNC西日本放送、TSCテレビせとうち、OHK岡山放送、oniビジョン、エフエムふくやま、岡山県郷土文化財団、井原市文化協会、井原放送、井原鉄道

休催日

月曜日(ただし、祝日は開館し、翌日休館) ※9月15日、10月13日は開館。9月16日、10月14日は休館。

開催時間

午前9時 ～ 午後5時

(入館は午後4時30分まで)
8月29日(金)は開会式が行われるため、10時30分より開館いたします。

観覧料

・一般:700円(560円)
・65歳以上:350円(280円)
・高校生以下 無料

※( )内は前売券・有料団体20名以上の料金。
[前売券販売所] チケットぴあ、セブンイレブン、サークルK、サンクス(4店共通Pコード766-337)、ローソンチケット(Lコード63664)、山陽新聞社サービスセンター、笠岡市立竹喬美術館、ふくやま美術館、華鴒大塚美術館、ぎんざや、喫茶パレット(倉敷市立美術館内)、インディスク(天満屋倉敷店内)、天満屋トラベルなど岡山県内の各プレイガイド、井原市内の公共施設などでお求めください

巡回等情報

小平市平櫛田中彫刻美術館:10月25日(土)～12月7日(日)

展覧会ホームページ

http://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/exhibit/exhibit_history/201408.html

■記念講演会
<聴講無料・事前申込不要>
演題:藤井浩祐の彫刻の美しさ
講師:田中修二 氏 (大分大学准教授)
日時:9月14日(日) 13時30分～15時
会場:井原市民会館 鏡獅子の間

■当館学芸員によるギャラリートーク
<要・入館料>
展覧会の解説案内をいたします。
日時:9月4日(木)、13日(土)、21日(日)、10月12日(日)
13時30分～14時15分
会場:特別展会場

井原市立田中美術館 イバラシリツヒラクシデンチュウビジュツカン

Ibara City Hirakushi Denchu Art Museum

会場住所

〒715-8601
井原市井原町315

ホームページ

https://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/