ID:41822
画文往還
世田谷の文人たち
Museum Collection Ⅲ
会場
世田谷美術館 2階展示室
SETAGAYA ART MUSEUM
会期
2014年1月25日(土)―4月20日(日)
展覧会概要
画文往還 ガブンオウカン 世田谷の文人たち
Museum Collection Ⅲ
本展では、当館の収蔵作品から、文人画と呼ばれる領域にある作品、また、文人的気質を感受できる作品をご紹介いたします。
中国絵画から派生した文人画は、日本においては、南宗画を中心に、明清絵画の諸様式を摂取した南画と呼ばれる独自の画風として展開し、江戸時代には、池大雅(1723-1776)や谷文晁(1763-1841)らが、その代表格に挙げられます。かたちに即する「写実」より、自身の心に即する「写意」を重んじる彼らの創作は、従前的な画風とは趣を異にし、精神の自由な動きが画面に溢れていくものとなりました。その後、明治、大正、昭和と時代が移るにつれ、文学的な領域ともつながり合いながら、日本的な文人画は、西欧美術を学んできた洋画家へも広がりをみせていきました。
当館には、江戸時代から商店を営んだ内田家の三代目・内田守一氏と、七代目にあたる鳥類学者の内田清之助氏が蒐集した絵短冊集が、縁あって収蔵されています。これらは、清之助氏の次男・内田清二郎氏の没後、その夫人より受贈したものです。約400点にのぼる、これらの絵短冊には、江戸時代の絵師や文人をはじめ、日本画家や洋画家による作品が含まれています。本展では、この中から、池大雅や谷文晁をはじめ、小杉放菴(1881-1964)の作品などにより、日本の文人画のひろがりの一端を展観します。そして、世田谷に地縁の深い作家として、平福百穂(1877-1933)、小川千甕(1882-1971)、石川寒巌(1890-1936)、横尾深林人(1898-1979)、大山魯牛(1902-1995)、小堀四郎(1902-1998)、内山雨海(1907-1983)、山口薫(1907-1968)、片桐白登(1908-1997)らの作品をご紹介することで、日本における文人的気質と絵画表現の関係をご覧いただければと思います。
また、愛媛県出身の俳人で随筆家の河東碧梧桐(1873-1937)と、彼を師と仰ぐ同郷の画家・水木伸一(1892-1988)の合作『碧水帖』は、両者の交流の深さを物語るだけでなく、まさに画文の往還が端的に示された作例といえましょう。
いつの時代にも、人間は生きにくさを感じながら日常を過ごしています。しかし、移りゆく時代の時間の流れ緩め、自身の心を見つめた彼らの創造のなかに、精神と表現の関係を思索する姿があったことを見出していただければと存じます。
- 休催日
- 毎週月曜日
- 開催時間
- 午前10時 ~ 午後6時
- 最終入場は午後5時30分まで
- 観覧料
- 一般200円(160円)、大高生150円(120円)、65歳以上/中小生100円(80円)
- ※( )内は20名以上の団体料金。学生の方、65歳以上の方、障害者の方は証明書などをご提示ください。障害者の方は100円(80円)。
障害者で小・中・高・大学生、および障害者の介護者(当該障害者1名につき、1名に限る)は無料。小・中学生は土、日、祝・休日は無料。 - 展覧会ホームページ
- http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection.html
会場情報
世田谷美術館 セタガヤビジュツカン
SETAGAYA ART MUSEUM
- 会場住所
-
〒157-0075
世田谷区砧公園1-2 - ホームページ
- https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
- 問い合わせ先
- 03-5777-8600(ハローダイヤル)
登録日:2014年1月28日