ID:37286
科学のあとに詩をかくこと
会場
京都精華大学学内723ギャラリー他
会期
2013年2月21日(木)―3月3日(日)
展覧会概要
科学のあとに詩をかくこと カガクノアトニシヲカクコト
アウシュビッツ以後、詩を書くことは野蛮である。
「文化批判は、文化と野蛮の弁証法の最終段階に直面している。アウシュビッツ以後、詩を書くことは野蛮である。そしてそのことがまた今日詩を書くことが不可能になった理由を語り出す認識を浸食する。絶対的物象は、かつては精神の進歩を自分の一要素として前提したが、いまそれは精神を完全に呑み尽くそうとしている。批判的精神は、自己満足的に世界を観照して自己のもとにとどまっている限り、この絶対的物象化に太刀打ちできない」
アドルノ「文化批判と社会」
『プリズメン』ちくま学芸文庫p・36
世界は進歩しているのか。
19世紀に端を発した科学技術を基盤とした進歩史観は20世紀に加速度を増し、今では私たちの日常生活の根底をなす価値観となっています。
私たちはその中で生まれ育ち、多くのことを学び、様々な形で科学の恩恵に触れてきました。より合理的に、より効率的に変化していく社会は快適で、日々更新されていく技術は明るい未来を約束するものとして私たちの目に心地よく映ります。
しかし、他方でこの国が直面する原発問題が顕著に示すように、人の手に負えなくなった力を前に私たちは問題を先送りにし、目を逸らし続けています。
いや、目を逸らし続けたことが引き起こした問題であると言えるのかもしれません。
アドルノの言うように、より一層効率化と合理化の進む現代において、もはや表現の全ては野蛮な行為にすぎないのかもしれません。現行の社会システムに浸ってきた私たちが客観的な視点で現状に対し批判を行うことは困難であるように思います。
それでもなお、詩をかくこと。芸術としての表現を試みること。
そのような所作を、この文明的野蛮の時代においてなお、本来在るべき人間の姿の可能性としたいのです。
- 主催者
- 京都精華大学 博士前期課程 芸術研究科
- 協賛・協力等
- セイカウィーク2013関連企画
- 開催時間
- 11時 ~ 19時
- ※最終日16時
- 展覧会ホームページ
- http://kagakunoatonisiwokakukoto.tumblr.com/
会場情報
京都精華大学学内723ギャラリー他 キョウトセイカダイガク
- 会場住所
-
〒606-8588
京都市左京区岩倉木野町137 - ホームページ
- http://www.kyoto-seika.ac.jp/
登録日:2013年2月16日