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館蔵中世陶器展Ⅱ つぼ・かめ・すりばち

―猿投・常滑・渥美―

会場

愛知県陶磁資料館

Aichi Prefectural Ceramic Museum

会期

2002年1月5日(土) ~ 2002年3月24日(日)

展覧会概要

館蔵中世陶器展Ⅱ つぼ・かめ・すりばち カンゾウチュウセイトウキテン2 ツボ・カメ・スリバチ ―猿投・常滑・渥美―

館蔵中世陶磁展シリーズの第2回目にあたる本展では東海地方の焼締陶を展示し、壺・甕・鉢の製作技法の変遷と地域的な特色を紹介します。平安時代末期(12世紀)に瀬戸窯をのぞく日本各地の窯業地では、生産される器種が壺・甕・鉢の3種類を基調としたものになります。釉薬を施さずに高温で焼き締めた壺と甕は、水甕・茶壺・酒壺・油壺といった日常容器や、藍甕・肥甕・種壺といった生産の道具として、鉢は万能の調理具として中世の農業や手工業生産の向上に大きく役立ちました。
猿投窯は名古屋市の東部から日進市・東郷町・三好町などにかけて分布する古窯跡群です。古代猿投窯の灰釉陶器生産は11世紀末に無釉陶器の椀や皿を中心とする生産へ転換しました。一方、12世紀代には三筋文四耳壺・経筒外容器・瓦類などの特殊器種も生産されています。
常滑窯は知多半島に分布する古窯跡群で、初期の窯跡が知多半島基部と中央部に成立した後、広く半島全域に分布していることから、知多半島古窯跡群(知多窯)とも呼ばれています。常滑窯では焼締陶器の壺・甕・鉢類を商業的に大量生産しており、特に壺・甕類は水や穀物の貯蔵容器として全国各地で用いられ、隣接する渥美窯の製品を凌いで大きく発展しました。
渥美窯は渥美半島に分布する古窯跡群で、平安時代末期には経塚造営のための経筒外容器など特別注文品が数多く焼かれ、袈裟襷文や蓮弁文と呼ばれる特有の刻文壺が存在します。それらの特別品は灰釉が施されているものが多く、瀬戸窯に先がけて新たな施釉陶器の生産を開始しましたが、発展することもなく、14世紀には操業を終了しました。
東海地方の焼締陶器窯には上記の窯業地のほか、湖西窯(静岡県)や兼山・憲那・中津川窯(岐阜県)などがあり、さらに生産地不詳の中世焼締陶も数多く存在します。本展ではこれらの内、愛知県内の窯業地を中心に中世焼締陶器の世界を概観します。

主催者
愛知県陶磁資料館
休催日
月曜日(ただし1/14は開館・1/15は休館、2/11は開館・2/12は休館)
観覧料
一般 400(320)円
高大生 300(240)円
中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
展覧会ホームページ
http://www.pref.aichi.jp/touji
展覧会問合わせ先
愛知県陶磁資料館Tel.0561-84-7474

会場情報

愛知県陶磁資料館 アイチケントウジシリョウカン

Aichi Prefectural Ceramic Museum

会場住所
〒489-0965
瀬戸市南山口町234
ホームページ
http://www.pref.aichi.jp/touji
更新日:2010年9月22日
登録日:1999年3月31日