ID:36102
荒木省三 個展『69億分の1の存在証明』
会場
東京画廊+BTAP
TOKYO GALLERY + BEIJING TOKYO ART PROJECTS
会期
2012.11.2(fri)-11.24(sat)
展覧会概要
荒木省三 個展『69億分の1の存在証明』 アラキショウゾウ コテン『69オクブンノ1ノソンザイショウメイ』
この度、東京画廊+BTAPでは11月2日(金)から11月24日(土)の間、荒木省三個展『69億分の1の存在証明』を開催いたします。
荒木省三は1973年に千葉県に生まれ、東放学園音響専門学校音響技術科を卒業後、独学で絵画制作を始めました。2003年から2006年にかけてGEISAIで積極的に作品を発表し、2004年のGEISAI6ではカルティエ現代美術財団のディレクターであるエルべ・シャンデス氏より、「エルべ・シャンデス賞」を受賞。以後、国内外の展覧会やアートフェアに作品を出品しています。荒木にとって初の個展となる本展では、新作絵画を含む十数点を展示し、現在に至るまでの創作活動をご覧いただきます。
荒木省三の絵画にはグラフィックの要素が強く表れています。描かれる人物はマンガやアニメのキャラクターを喚起するもので、日本のポピュラーカルチャの側面を有しています。しかし一方で、自身が名付けた展覧会タイトル『69億分の1の存在証明』が示唆するように、荒木は単に現代社会に流通する多種多様なイメージをキャンバスに転写するのではなく、そこで生きる自身と人々の内面世界を表現することを試みています。
後ろ姿のシルエットで描かれた人物、限られた色数、簡略化されたフォルム、余白を多く取った簡潔な構図――常に少ない情報量で構成される作品によって、作家は過去--現在--未来という時間の流れを表現し、人々の心の動きを物語ります。平凡な風景の断片や人間の些細な仕草を日常から採取し、それを独自のイメージに変換して最小限のディテールで形象化する荒木は、ミニマムな表現主義者とも言えるのかもしれません。
荒木はシンプルに描く事の意味を音楽に喩えながら説明します。
「私は音楽の影響を受けている。例えばパンクロック。一分ぐらいの曲に非常にシンプルな演奏と声、フォークロックも同様にギター1本と声。どちらも簡潔な方法で人々を魅了することができる。例え何を唄っているのか分からずとも。美術も良い悪いでなく、何かを感じるか感じないか、ただそれだけのシンプルな事で良い。これが私の作品の必要最低限で表現すると云う簡潔さに繋がってゆくのではないかと考えている。そして私は筆で詩やメロディーを奏でているのかもしれない。」
自らの作品を「肖像画」と形容する荒木の制作活動は、自己完結的な様相を強めているのかもしれません。しかし、作家は見る者に対して「何かを感じ取ってほしい」と言います。歌詞を媒介としなくても音楽が人々の心に入り込む力を持つように、「必要最低限」で描かれた荒木の作品は、見る者の心情と共鳴する事で幾多の物語へと発展するのです。
皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。
イベント情報
オープニング・レセプション
11月2日(金)18:00-20:00
会場情報
東京画廊+BTAP トウキョウガロウ+BTAP
TOKYO GALLERY + BEIJING TOKYO ART PROJECTS
- 会場住所
-
〒104-0061
中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7階 - ホームページ
- https://www.tokyo-gallery.com
登録日:2012年10月16日