ID:36061

山本桂輔展

Brown Sculptures

会場

小山登美夫ギャラリー(東京) 6F

会期

2012年11月17日(土)―12月15日(士)

展覧会概要

山本桂輔展 ヤマモトケイスケテン Brown Sculptures

本展では、2009年の清澄での個展とは対照的に、小さな彫刻作品15点ほどが展示されます。経済不況や震災以降、どうしようもなく自らの価値観や作品について今一度問い直す必要があった、と語る山本は、「幻想が肥大して出来た大きな綿菓子の塊のようなもの」であった以前の大型彫刻とは異なるアプローチを模索し、「誰か(もしくは私)が使用していたであろう物や道具を削ったり、くっつけたり、彫刻した作品群」を生み出しました。『幽体離脱』と名付けられた作品では、古びた金槌からもう一つの金槌が浮かび上がり、魂を宿した眼のような彫刻もほどこされています。茶系オイルステインで着色されただけの作品は、道具の形を残しながらもその機能を終え、もの本来のテクスチャーの強さ、美しさを作家の手によって取り戻したかのようです。
初期の作品を彷彿とさせながらも、その本質的な違いはタイトルにも現れています。すなわち、シリーズとして扱われるのでも、または近年のように全て無題とされるのでもなく、一つ一つの作品に寄り添うように個々に命名がなされているのです。

「『Brown Sculptures』とは文字通り、茶色い彫刻であり、そして汚れくすんだ陰気な彫刻という意味も込めています。直接的にその物と、世界と関係が持てる『彫刻』というもの、そして『彫刻する』という行為を強く意識するようになったので、『Sculpture』という言葉を使用しました。結果、鮮やかな色彩は消え、汚れくすんだ陰気な彫刻群が生まれてきました。性格的なものからなのか、日本の風土からなのか、木という素材を選んでいる私にとって、茶色は本能的に求め惹かれる特別な色です。使い古された、ぼろく、卑小な存在と向き合う中で生まれたこれらの彫刻の中に、自分と世界とのリアリティーを探る所から、私は再出発したいと考えました」
もとは他の用途に使われていたモノたちが、山本の手を経てどのように「彫刻」となっていったのか、ぜひご高覧ください。

展覧会ホームページ
http://www.tomiokoyamagallery.com/exhibitions/keisuke-yamamoto-exhibition-2012/

イベント情報

オープニングレセプション11月17日(土)6:00-8:00pm
*[アーティスト・トーク]ギャラリー内:11月17日(土)5:30pm-(ご予約不要)

会場情報

小山登美夫ギャラリー(東京) コヤマトミオギャラリー

会場住所
〒135-0024
江東区清澄1-3-2-7F
ホームページ
http://www.tomiokoyamagallery.com/tkgt/
更新日:2012年11月17日
登録日:2012年10月10日