ID:31127

視線の先-画家とモデルと

会場

町立久万美術館

KUMA Museum of Art

会期

2011年1月22日(土) ~ 2011年4月17日(日)

展覧会概要

視線の先-画家とモデルと シセンノサキ-ガカトモデルト

当館が所蔵している木下晋らの人物画を中心に、モデルを見つめる画家、見つめ返し、あるいは目をそらすモデル、そういった絵画の上で交差する視線をテーマにした展覧会です。
私たちは普段、絵画を「見る」ことに慣れています。しかし、慣れすぎてはいないでしょうか。描かれた人物は、描かれた風景や事物と同じように鑑賞されます。しかし、「見る」という行為は、例えば「人をじろじろ見ない」というマナーがあるように、人に向けては禁忌が働く行為です。それは、「見る・見られる」が人と人との関係を表象しているからに他なりません。そのように考えると、人物画すなわち描かれた人物を見ることが、にわかにスリリングな行為のように思われてきます。
本展の出品作をご紹介しましょう。木下晋の《流浪Ⅱ》(1986年)。木下は、対象の細部まで緻密に描き込むことで、写実的なリアリズムを越えた実在感を生み出す鉛筆画で知られています。本作のモデルは木下の母。極貧生活から逃れるように家出を繰り返した母のため、幼い弟は餓死、自身も母の愛情を知らない壮絶な幼少期を送ります。後に母の存在の大きさを知った木下は母をモデルにした制作をライフワークとします。ところが、奇しくもこの絵の完成の翌日、彼女が交通事故で亡くなってしまうというエピソードを持つ作品です。そこには余人では伺い知れない関係性そのものが描かれているといえるでしょう。
画家とモデル、そしてその関係そのものとしての作品を見る私たち。「画家とモデル」というテーマを立てることで、私たちが「見る」ことに慣れてしまっていること、「見る」とは何かを考えたいと思います。

休催日
月曜日(祝日の場合は翌日)
観覧料
大人500、高大400、小中300円
展覧会ホームページ
http://www.kumakogen.jp/culture/muse/
展覧会問合わせ先
0892-21-2881

会場情報

町立久万美術館 チョウリツクマビジュツカン

KUMA Museum of Art

会場住所
〒791-1205
上浮穴郡久万高原町菅生2番耕地1442-7
ホームページ
http://www.kumakogen.jp/culture/muse/
更新日:2010年11月9日
登録日:1999年3月31日