ID:30958

館長 矢部良明が選ぶ人間国宝名品展示 ―現代茶の湯への試み―

会場

人間国宝美術館

National Treasures museum

会期

2010年12月31日(金) ~ 2011年5月28日(土)

展覧会概要

館長 矢部良明が選ぶ人間国宝名品展示 ―現代茶の湯への試み― カンチョウ ヤベヨシアキガエラブニンゲンコクホウメイヒンテンジ ―ゲンダイチャノユヘノココロミ―

一般に「茶道」と呼ばれる「茶の湯」の歴史は、五五〇年ほどになります。その間にいくつもの起伏を重ねて現代に至っているわけです。人間国宝美術館では、人間国宝に認定された美術工芸家の作品を多岐に渡って収集して参りました。これらの名品を自由に取り合わせて、今言う茶の湯を開いたとしたらどのような具体像が提示することができるか、この試みを今回特別企画展として行った次第であります。
茶道具は元来、この器でなくてはならないという規定を持っていませんでした。在来の器のなかから茶人が自らの美意識を持って茶道具に見立て、一座を建立してきたわけです。特に桃山時代に大きな成果を上げたわけですが、現在の美術工芸家たちもまた優れた作品を世に送り出しております。
世の中には、一方では本来茶道具として働く役目を持った茶碗・茶器・釜・水指などがあり、今一方にそうした機能を定めない美術工芸があります。そうした茶道具ではない道具を使って茶道具と組み合わせてみたのが、今回の展示の特徴です。たとえば濃茶席に十九世紀のフランスの画家、カミーユ・コローの「森の小径」を取り上げたのもその森閑として深い趣が、濃茶席の精神性に相応しいと考えたからです。
こうした亭主の美意識に従って組み上げられる茶の湯世界、具体的には、濃茶席および薄茶席、懐石料理を振舞う食器の取り合わせ、広間の書院を飾る置物という四つのテーマを設け、現代の茶の湯の有様を伺ってみました。
時はあたかも正月を迎え、新春のおめでたい気分を寿いで道具組みをしたところです。どうぞ茶の湯に関心の薄い方も、道具の取り合わせによって表現しうる多様な芸術感覚をお楽しみいただければ幸いでございます。

休催日
無休
観覧料
一般 1,000円(人間国宝作の茶碗での抹茶・菓子付)、小中高生 200円
展覧会ホームページ
http://www.nikobi.com/
展覧会問合わせ先
0465-62-2112

会場情報

人間国宝美術館 ニンゲンコクホウビジュツカン

National Treasures museum

会場住所
〒259-0301
足柄下郡湯河原町中央3-16-1
更新日:2010年12月20日
登録日:2009年9月25日