ID:29950
城所 祥の木口木版画
会場
八王子市夢美術館
Hachioji Yume Art Museum
会期
2011年2月4日(金) ~ 2011年2月20日(日)
展覧会概要
城所 祥の木口木版画 キドコロ ショウノモッコウモクハンガ
八王子市夢美術館では、木版画でその才能が高く評価された地元出身の版画家、城所祥(八王子市八日町出身)の展覧会を開催します。前回、2008(平成20)年に当館で開催された特別展「城所 祥 展~静影の版画家~」では作品全般を回顧する観点から城所の表現の中心である板目木版画を主な展示としましたが、今回は城所のもう一つの木版表現である木口木版画に焦点を当て特集展示として紹介します。木口木版画とは、版木としてツゲやツバキなどの堅い木の木口(輪切りにした断面)を用いた版画で、ビュランという鋭い刃を持つ道具を使い、一般的には黒一色の画面の中に精密で繊細な表現が特徴です。城所がこの技法を独学で習得したのは1950年代後半から1960年代初め頃と思われますが、この仕事が世に知られるようになったのは詩人三好豊一郎と木口木版画を使った詩画集『黙示』を1967(昭和42)年に刊行した頃からです。さらに1971(昭和46)年には三好氏と詩画集『鳥』を刊行、1977(昭和52)年には日和崎尊夫、柄澤齊らと木口木版画グループ「鑿の会」を結成し戦後ほとんど衰退していた木口木版画の新たな潮流として美術界で注目を集め、次第に木口木版画の作家としても知られるようになります。一方で城所個人の木口木版画の制作は先の詩画集や「鑿の会」の活動とはやや異なる作風を持ち、木口木版画の初期となる1960年代後半の作品では半具象、1970年代初めには具象、1970年代末には静物というように板目木版画とほぼ同じ変遷です。しかし、この技法が持つ細密な描写においてその表現は板目木版画と違っていました。特に1970年代初めには、同時代の板目木版画よりも先んじてその写実性が強く現れ、木口木版画が元来、写実に適した技法であることを強く意識した表現となっています。また、多色刷りが珍しいこの技法において板目木版を併用して色をもたせ、暖かみのある要素を加えている点もその特徴の一つといえます。
本展ではこうした初期から晩年に到る城所の木口木版画の作品を振り返り、この技法が持つ細密な描写に城所がどのように臨んだのかを内容や技法面の特徴に触れながら紐解きます。また、二つの詩画集『黙示』『鳥』や「鑿の会」の活動、実際に使用した木口木版画の道具類や版木、過程資料等も紹介しながら、城所祥の木口木版表現の活動の全貌に迫ります。
- 主催者
- (財)八王子市学園都市文化ふれあい財団
- 休催日
- 月曜日
- 観覧料
- 小学生以上100円
- 展覧会ホームページ
- http://www.yumebi.com/
- 展覧会問合わせ先
- TEL.042-621-6777 FAX.042-621-6776
会場情報
八王子市夢美術館 ハチオウジシユメビジュツカン
Hachioji Yume Art Museum
- 会場住所
-
〒192-0071
八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子2F - ホームページ
- https://www.yumebi.com
登録日:2006年1月24日