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武田美通展 戦死者たちからのメッセージ

私たちはあなた方に問いたい。

会場

原爆の図 丸木美術館

Maruki Gallery for Hiroshima Panels

会期

2010年7月17日(土) ~ 2010年9月4日(土)

展覧会概要

武田美通展 戦死者たちからのメッセージ タケダヨシトウテン センシシャタチカラノメッセージ 私たちはあなた方に問いたい。

遥かわが祖国、日本の皆さまへ
私たちは、かつての太平洋戦争中、天皇陛下のため、
お国のためにと戦場に駆り出され、戦死していった兵士たちです。
当時はみな二十歳前後の前途あるはずの若者でした。
空に、陸に、海に、いま思い出すのさえ恐ろしい、あの地獄の戦線で、
私たちは、武器弾薬はおろか、食料さえもが補給途絶するなか、郷土の名誉を
担って、
最後の一兵となるまで鬼神も哭く壮絶な戦いをしました。
無謀、不条理な作戦命令のもと、私たちは圧倒的な銃砲火にさらされ、
病にあるいは飢餓のなかで斃れていったのです。
トカゲや蛇、サル、昆虫などは勿論、わが身の銃創にわく蛆まで食べつくしての戦いでした。
私たちの骨は、いまなお、南方の島々や、東南アジア、中国大陸、沖縄や硫黄島、
そして太平洋の海底に散らばっています。
私たちは、みな祖国日本が二度と戦争のない、
戦争をしない平和な国であれと祈りながら最期を遂げました。
敗戦後、日本に新憲法が制定され、その非戦の誓いのもと繁栄を続けてきたと聞いています。
これなら私たちは安心して後世を託し、
安らかな永遠の眠りに就くことができるものと思っていました。
ところが最近になって、私たちが愛してやまない故郷日本が、
再び戦争のできる国になろうとしているとの気配を感じ、
私たちの眠りは破られました。私たちはあなた方に問いたい。
他国に数千万人の犠牲を強い、私たち兵士二百五十万人民間の方々を含めれば
三百四十万人にのぼる命で購ったはずの教訓を忘れてしまったのでしょうか。
何を血迷っているのか!
再び日本が戦争の道を歩もうとするなら、
私たちにとってこれほどの悲しみ、嘆き、怒りはありません。
かつての激戦地に散乱するわが身の骨片を拾い集め、
白骨の鬼となって、私たちは愚かなものに向かって決起します。
どうか私たちの愛する後世の若い人々よ!私たちの死を無駄にしないでください。
そして遥かなる故郷の平和な風景を夢に見ながら、
なつかしい父や母、兄弟姉妹、友人たちの面影に暖かく抱かれながら、
どうか安らかに眠らせてください。
(文・武田美通)

主催者
原爆の図 丸木美術館
休催日
無休
観覧料
一般900円、18歳未満または中高生600円、小学生400円
※団体(20名以上)、チラシを持参の方、60歳以上、比企地区在住者は100
円割引、障碍(しょうがい)のある方は半額
展覧会ホームページ
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/
展覧会問合わせ先
tel:0493-22-3266

会場情報

原爆の図 丸木美術館 ゲンバクノズマルキビジュツカン

Maruki Gallery for Hiroshima Panels

会場住所
〒355-0076
東松山市下唐子1401
更新日:2010年5月17日
登録日:1999年3月31日