ID:27635

菊畑茂久馬-ドローイング

会場

長崎県美術館

Nagasaki Prefectural Art Museum

会期

2009年11月12日(木) ~ 2010年2月7日(日)

展覧会概要

菊畑茂久馬-ドローイング キクハタシゲヒサウマ-ドローイング

美術家として世に出て以来、一貫して福岡市に腰を据え思索と制作を積み重ねてきた菊畑茂久馬(きくはた もくま/1935年長崎市生まれ)。50年代後半に前衛美術集団「九州派」の一員として「反芸術」を合言葉に美術界に殴り込みをかけた菊畑は、同派脱退以後も〈奴隷系図〉や〈ルーレット〉、〈植物図鑑〉などのシリーズを発表し、反芸術の旗手として常に注目を集めました。
しかしその後、発表を目的としない「オブジェ」の制作に浸り、戦争画をはじめ近代後の美術を自らの眼で検証し直す数々の著作を世に問うなど、菊畑は約20年間にわたり本格的な新作の発表を行わず、美術家としての沈黙の時代を過ごします。美術家としての自らの足場の確認とも言える作業を継続したこの沈黙の時代を経て菊畑が自らに嵌めた枷は、以前の活動から見れば反動的ともとれる「絵画」への挑戦でした。
1983年に衝撃的な油彩画の大作群〈天動説〉のシリーズを発表したのち、〈月光〉、〈月宮〉、〈海道〉、〈海 暖流・寒流〉、〈舟歌〉、〈天河〉と、これまでに菊畑は七つの大作シリーズを送り出してきましたが、これまでのところ〈天河〉をもって一旦大作のシリーズは閉じられ、以後は最大100号の〈海宮〉、同50号の〈春風〉シリーズを発表しています。
この展覧会では、〈天動説〉から〈春風〉に至る油彩画シリーズの下絵にあたるドローイングに加え、ドローイングのシリーズのみ発表されている〈月ノ光〉、そして最新作のドローイング〈春光〉まで、大量の作品の中から厳選した作品約90点(一部展示換えも含む)をご紹介します。各シリーズとも少しずつ変奏された様々なバリエーションを持つ菊畑のドローイングは、油彩画の構想を練る過程であるばかりでなく、自らにその存在の必然性を宿す来たるべき「絵画」を掴むための「待ち」の時間、いつやって来るとも知れない「絵画」の顕現を囲い込み逃さず捕らえるための布陣のような様相を見せています。油彩画制作と表裏をなす菊畑の知られざる世界をぜひご覧下さい。

主催者
長崎県美術館
休催日
毎月第2・第4月曜日(祝日の場合は火曜日)、12/28~31
観覧料
一般400(320)、大学生・70歳以上300(240)円、小中高生200(160)円
*( )内は15名以上の団体料金
*長崎県内在住の小中学生無料
展覧会ホームページ
http://www.nagasaki-museum.jp
展覧会問合わせ先
095-833-2110

会場情報

長崎県美術館 ナガサキケンビジュツカン

Nagasaki Prefectural Art Museum

会場住所
〒850-0862
長崎市出島町2-1
ホームページ
https://www.nagasaki-museum.jp/
更新日:2010年12月6日
登録日:2007年1月15日