ID:27488

絹谷幸二 生命の軌跡

ARS VITA ESTA・VITA ARS ESTA

会場

東京藝術大学大学美術館

THE UNIVERSITY ART MUSEUM, TOKYO UNIVERSITY OF THE ARTS

会期

2010年1月5日(火) ~ 2010年1月19日(火)

展覧会概要

絹谷幸二 生命の軌跡 キヌタニコウジ セイメイノキセキ ARS VITA ESTA・VITA ARS ESTA

絹谷幸二は、東京藝術大学教授という枠に留まらず日本文化そのものを牽引してきた唯一無二の存在です。芸術家、文化人、スポーツ界、財界、実業家と多岐に渡る交流を通じ、現代の日本の総体を把握するビジョンを持つ画家であり、国際的問題に貢献出来る稀有な人材でもあります。
本展は、東京藝術大学から巣立ちやがて教鞭をふるうことになった絹谷の軌跡を、同じ学び舎の美術館において辿る試みとなります。言わば東京藝術大学における最後の授業ともいえる本展は、絹谷の若い時代の作品や知られざる体験談、彼の教育者としての思想などを学生だけではなく学内外のより多くの人々と共有することで、「生きた教育の場」の創出を目的としています。

言うまでもなく、絹谷は日本を代表する洋画家です。若い頃から今に至るまで人々を魅了し続けることは、この移ろいやすい世界においては奇跡的なことと言えるでしょう。自然と人間とが共存してゆくための真に幸福なありかたを絹谷の作品を示し続けます。「讃える」ということを忘れてしまったかのようなこのぎくしゃくした社会にあって、地球上の生命のすべてに讃歌を贈る絹谷の熱情は、これから先いっそう必要とされるでしょう。生命の謳歌は、絹谷がこの世の無常を知るがゆえのこと。いずれすべての命に訪れる静かな「死」に抗うかのような、逆説的な「生」のパワーなのです。痛みを知るからこそ彼はすべてのものを讃えることができるのです。

かつて学生として過ごし、また21年間教鞭を揮ってきた東京藝術大学油画科において、絹谷はどう存在したのでしょうか。安井賞、独立賞受賞という名誉に溺れることなく、独自のスタイルを激変させた青春時代の絵の軌跡。個の世界への埋没から軽やかに逃れ、社会に向かい公然と意思を伝えていこうとする覚悟。それをすべての観者に、同じ目線の高さで見てほしいという願いが私たちにはあります。

本展が、巷間からではなく大学という場から若者達に解き放つ、貴重な人生の証言となり、またデジタルな情報に安易に飛びつき希薄な人間関係しか取り結べぬ昨今の風潮の中において、生き生きとしたビジョンと何かを生み出す喜びを多くの若い人達がもち得る場となることを確信しています。

主催者
東京藝術大学美術学部/東京藝術大学大学美術館
休催日
2010年1月12日(火)
観覧料
入場無料
展覧会ホームページ
http://www.geidai.ac.jp/museum/
展覧会問合わせ先
050-5525-2200(代表)

会場情報

東京藝術大学大学美術館 トウキョウゲイジュツダイガクダイガクビジュツカン

THE UNIVERSITY ART MUSEUM, TOKYO UNIVERSITY OF THE ARTS

会場住所
〒110-8714
台東区上野公園12-8
ホームページ
https://museum.geidai.ac.jp
更新日:2010年11月17日
登録日:1999年3月31日