ID:26665

浜田知明展

不条理とユーモア コレクションによる特集展示

会場

北九州市立美術館

Kitakyushu Municipal Museum of Art

会期

2009年6月6日(土) ~ 2009年7月12日(日)

展覧会概要

浜田知明展 ハマダチメイテン 不条理とユーモア コレクションによる特集展示

浜田知明は1917年に熊本県上益城郡高木村(現・御船町高木)に生まれました。中学時代に絵画を富田至誠に学び、東京美術学校油画科に入学しますが、卒業した年に彼を待ち受けていたのは、戦争による軍隊生活でした。絵をもっと描きたいという志半ばに戦場に送られた浜田は、「兵士たちはたいてい、ミケランジェロの彫刻を思わせるような素晴らしいポーズで死んでいた。」とのちに語っているように、すべての物事を絵のモチーフとして見る画家のまなざしですごします。そしてそのまなざしはまた戦争という極限状況における軍隊の矛盾や、人間の残酷さをもしかと見つめていました。
そんな浜田が戦後に選んだモチーフは戦争。そして戦争を一番的確に描くためにあえて選んだ技法が「鋭く、冷たい表現のできる」エッチングでした。《初年兵哀歌》シリーズをはじめとする作品は世界的にも評価されており、2007年にはイタリアのウフィツィ美術館が作品19点を収蔵しています。
また戦争を扱った作品のみならず、その後も《ボタン(B)》や《取引》など人間社会や時代を鋭く洞察した作品を制作し、65歳からは新たに彫刻という表現手段も手にしています。版画、彫刻作品を通していえるのは、戦争をはじめとする社会における不条理を、ただ辛辣に風刺するのでなく、時にユーモアをもって表現していることでしょう。その作品からは浜田の人間に対する深い関心と愛情がうかがえます。
北九州市立美術館では、開館当初から浜田知明の作品を収集しています。平成20年度に浜田知明氏本人から彫刻作品19点の寄託を受け、当館のコレクションはより充実したものとなりました。モノクロームの小さな画面から響く、果てしなく、どこまでも強いメッセージを、当館コレクション約170点から感じ取っていただけたらと思います。

主催者
北九州市立美術館
休催日
毎週月曜日
観覧料
一般500(400)円、高大生300(200)円、小中生200(100)円
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
※市内在住の65歳以上の方は無料(年長者施設利用証をお持ちください)
展覧会ホームページ
http://kmma.jp/
展覧会問合わせ先
北九州市立美術館 Tel.093-882-7777

会場情報

北九州市立美術館 キタキュウシュウシリツビジュツカン

Kitakyushu Municipal Museum of Art

会場住所
〒804-0024
北九州市戸畑区西鞘ヶ谷町21-1
ホームページ
http://www.kmma.jp
更新日:2010年5月24日
登録日:1999年3月31日