ID:25708

新国誠一の《具体詩》詩と美術のあいだに

会場

国立国際美術館

THE NATIONAL MUSEUM OF ART, OSAKA

会期

2008年12月6日(土) ~ 2009年3月22日(日)

展覧会概要

新国誠一の《具体詩》詩と美術のあいだに ニイクニセイイチノ《グタイシ》シトビジュツノアイダニ

諸芸術においてモダニズムの波が押し寄せた20世紀においては、詩人も、意味内容に専心するのではなく、構造分析を果敢に行うようになった。そのなかからは言葉の視覚的、音声的な側面を重視した作品に取り組む詩人たちも現れた。新国誠一(1925~77年)は日本におけるその典型であったが、没後ほぼ忘却の彼方に追いやられた。1950年代から郷里仙台で詩の前衛的実験を押し進めた新国は、視覚聴覚の両面において言語を要素化して扱う詩に到達する。漢字をグラフィカルに散在させた「視る詩」と平仮名、片仮名、数字による「聴く詩」を制作、上京して詩集『0音』として結実させるのだ。東京では文字の諸要素を“星座”のように配置する国際運動、コンクリート・ポエトリー(具体詩)に出会う。ほどなく《雨》など漢字をグリッド状に反復する固有の方法を生み出し、内外から注目を浴びるようになった。在京時を通じて日本のコンクリート・ポエトリーの第一人者として海外の詩人たちと連携し、数多くの作品を自ら組織した『芸術研究協会(ASA)』の機関誌上や世界各地の展覧会で発表した。「唇」や「血」など身体や生死にまつわる漢字を好んで使用したが、これは新国のもうひとつの顔である。現代音楽にも学び、グローバルな運動に関わる以前から録音による音声詩に取り組んだ創造性は驚愕に値する。本展は、コンクリート・ポエトリーの日本語版にとどまらず、他国の文化風土では成立するはずのないユニークな世界を切り拓いた詩人、新国誠一の活動を、現存資料の調査を元に改めて見つめ直そうとするものだが、それは美術や音楽と詩の相互的な関係を再考する貴重な機会ともなるはずである。

主催者
国立国際美術館、武蔵野美術大学美術資料図書館
休催日
月曜日(ただし、1/12(月・祝)は開館、1/13(火)は休館。また、2008年12/28(日)~2009年1/5(月)は休館)
観覧料
一般420(210)円、大学生130(70)円
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下並びに18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方とその付添者1名無料 (証明できるものをご提示いただく場合があります)
展覧会ホームページ
http://www.nmao.go.jp/
展覧会問合わせ先
06-6447-4680(代)

会場情報

国立国際美術館 コクリツコクサイビジュツカン

THE NATIONAL MUSEUM OF ART, OSAKA

会場住所
〒530-0005
大阪市北区中之島4-2-55
ホームページ
http://www.nmao.go.jp/
更新日:2010年10月26日
登録日:1999年3月31日